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58 ぎゅうううううって

 啓太の指が行き来する度に身体の中が熱くなる。 「ん、あっ……アッ」  くちゅりってローションの濡れた音がする度に、声が勝手に溢れちゃう。だってさ。 「あ、あ、っ……ン」  中を解されながら、乳首とかにも気持ちいいこととか、されちゃったら。 「柘玖志、少し奥まで入れる」 「ン、っあ! あぁ!」 「っ!」  入り口のとこだけじゃなく指が奥を弄った時だった。中を押すように指で突かれたりすると、すごく、飛び跳ねちゃうくらいに気持ちいい場所がある。その、そこを指で刺激された瞬間、内側がギュって締まって、締まっちゃうから指でされてるって感じがすごく伝わって、あの啓太の指が中にあるって思うとそれもまたドキドキしちゃう感じで。 「っ」 「け、啓太っ?」  飛び跳ねた時だった。  啓太が顔をしかめて、痛そうにしたから、俺はてっきり蹴っちゃったのかと。 「だ、大丈夫? ごめっ、俺っ」 「いや、違う、柘玖志のせいじゃなくて、サッカーでさ、ゴール前で、ディフェンダーに思いっきり足踏まれて」 「えぇぇっ?」  見たら、足の甲にでっかいアザがあった。めちゃくちゃ痛そうなの。 「もうゴール前揉みくちゃでさ」 「これ……」  なんかすごいんですけど。こんなになっちゃうの? 足? あ、でもそっか、スパイク。危ないもんね。だから、サッカー解説の人が教えてくれた。足の裏を見せるの禁止なんだって。なんていうか、足の裏が見えちゃうようなプレイっていう意味。スパイクがさ剣山みたいに並んでるから、それが見えちゃうっていうことはつまりは剣山が……っていう、剣山を人に向けたらダメだもんね。危ないでしょ。  その足で踏みつけられたら、さ。 「痛そう」 「平気だ。こんなの試合じゃしょっちゅうだから」 「えぇぇ?」  痛いよ。 「? ちょ、おい、柘玖志? 何……」  これめっちゃ痛いじゃん。 「柘玖……」  なんだろう、これ。母性? 俺、そんなの備わってるの? 「あ、あんま上手にできる気はしてない、けど」  でも、なんかさ、啓太のことを俺がぎゅーってしてあげたくなったんだ。思いっきりさ、ぎゅーって。なんて説明したらいいんだろ、この感じ。 「柘玖志……」 「い、痛いでしょ? 足、だから、寝てて」  初めての感じ。なんて言ったらいいんだろう。 「あっ……」  すっごい恥ずかしいんだ。寝転がった啓太の上に跨って、そんで、啓太のにゴムして、そんでそんで。 「あ、っ……ン」  自分から挿れてく。 「柘玖志、無理、すんな」 「へ、き……ン、も、中、柔らかいから、あぁあっ」  啓太のをゆっくり、ゆっくり、恐る恐る。けど、痛くないようにって、解してくれたから、ローションをたくさん中にも塗ってくれたから、平気だよ。  したいんだ。  させてよ。 「ッン、あと、少し、だからっ」 「っ」  俺が啓太のことをたくさん気持ち良くしたいんだ。 「あっあぁぁぁあ!」  たくさん、気持ち良くしたい。 「あ……ン、ん、啓太の、おっきい」  中が啓太でいっぱいになる。息もできないくらいにさ、いっぱいになって、お腹の中もすごいのに。 「あ、ン……ど、しよ、これ」 「柘、玖志っ」 「啓太の、中にいるの、気持ちイー」  苦しいのに、すごくすごく気持ち良くて、たまらない。恥ずかしいのにさ。なんか丸見えじゃん。これ、繋がってるとこも、それに、こんなに太くて大きいのを自分から挿れて苦しいのに。恥ずかしい。男子だからさ、気持ちいいとすぐにバレちゃうんだ。 「あ、ど、しよ、啓太っ」  前、濡れて丸見えだ。先走りとか、さ。 「も、気持ちイ、これ、っ啓太の、気持ち、良すぎて、動けな」 「っ」 「わっ! ンンんんんんっ」  全部飲み込んだだけで気持ち良くて、これで腰動かしたら、俺どうなっちゃうんだろうって戸惑ってたら、繋がったまま、啓太が起き上がって、そんでそのまま体勢が逆転した。 「や、啓太、は、寝ててってば、俺が」 「無理、柘玖志が可愛すぎ」 「なっ、俺っ」  だから、可愛くないですって言いたいのに、訂正したいのにそれをまた言わせてもらえなかった。キスされて、そんで。 「んんんんっ」  奥まで啓太が貫いたから。 「あ、あ、あ、あっ、ダメ、これっ、声、出ちゃう」 「いいよ。声、聞きたい」 「ひゃあ、ああっ、ン、奥、そんなしたら」 「柘玖志」  初めての時よりも深い。 「あ、ンっ……んんん」  初めての時よりも激しい。 「あ、啓太っ、そこ、は、されたら、イッちゃう」 「いいよ」 「あ、だ、ぇ……んんんっ」  初めての時よりも、気持ち良い。 「柘玖志」 「んんん」  深くキスされた。舌が絡まり合って、舌がとろけちゃいそう。 「あっ……ン、イッちゃう、よ」 「見せて、柘玖志の」 「あ、あ、あ、あっ」 「イク時の顔、すげぇ、可愛いから」 「あ、あ、あっあ、ンン、あっ」  初めての時よりも。 「あ、啓太っ、啓太っ」  もっと、ずーっと、啓太のことが好きだ。 「好きだよ。柘玖志」 「あ、あ、あ、あぁぁぁぁぁっ!」  中がぎゅううううううって啓太にしゃぶりついた。奥のとこ、指じゃ届かないところまで啓太でいっぱいにしながら、ぎゅううううううって。 「あっ……んんんっ」  ぎゅうううって、してあげたくなったんだ。啓太のことをさ、気持ち良くしてあげたくて、大事にしてあげたくて、なんかさ、もうもう、なんて説明したらいいのかわかんないって思ったけど。 「っ、柘玖志っ」 「あ、ン……ん」  今、わかった。 「あっ……」  一番深く、一番ぎゅうって繋がりながら、キスで伝わったらいいなぁ。  この気持ち。 「ン……啓太」  これはいわゆる、愛ってやつだって。

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