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悠悟の頭に?が浮かぶ。
「何故に千円ですか...?」
スイは悠悟の耳に口を寄せて、早口で言った。
「京蘭様に許可をもらうためじゃ。この方はとにかくお金に弱い」
「お金によわ...わ、分かりました。明日持ってきます...」
賽銭箱を銀行のように扱うスイにかなりの違和感を覚えたが、何やら必死だったのですんなり受け入れた。
「聞いたか、京蘭様。千円だぞ。千円も寄付してくれると言っておる。ああ、悠悟はなんて優しい人間なのだろうか。わしは感動しておる」
横目で白々しくチラ見を繰り返すと、神はあっけなく折れた。
「1時間だけだからね」
「やっりいいいいいい!!」
まさかと悠悟は驚愕した。
「あれ、もしや今のでOKもらえました...?」
「1時間だけなら良いと言っておる!わーいっ、わーいっ!京蘭様大好き!」
(にししっ。やはりこの神はチョロい)
「スイ?絶対に危険な事はしてはいけないよ。それから、視える人間にがいたらすぐ戻ってきなさい。人間は何かと妖を消したがるし、特にお前はいつもいつも...」
「分かっとるって!悠悟がいたら大丈夫じゃ」
なっ!とスイが肩を叩いた。
(え?待って、俺に頼られても困る。え、やべ。妖狐に信頼された。やっぱ俺あれかも、第三の目の覚醒)
数日前からめまぐるしく変化する日常に、まだついていけない悠悟だった。
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