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赤ずきんの檻 13
柔らかな茂みの上に飛んだ自らの白濁液を指に絡めて、矯めつ眇めつ見てとろりと微笑む。
「おぉーが、み ?さ 、もっと 」
腹のナカに精を放たれる快感を知ったあかに、抗う術なんてない。
全身で感じる気持ちの良いコトに自然と大神の腰に足が絡んでゆく。
「アフターピルを貰ってこい」
携帯電話にそうぶっきら棒に言うと、相手は慌てたのかガタガタと何かを倒す音が聞こえてきた。
落ち着いてきたようで相変わらずそそっかしい奴だと、大神の眉間に皺が寄る。
「やぁー 」
入らない力で携帯電話を引っ掻き、大神の意識が他に向くのが嫌だと首を振る。
伸び上がって口づけをし、大神の視線をこちらに向けようと擦り寄る。
「ほ 、かやら。オレだけ見て て」
グズグズと溢れた涙を拭いながら駄々をこねる姿は、大神に働いて返すと言い切った際の欠片も残っていない。
情欲に全身を蕩けさせて、ほんのわずかな隙間でも嫌がるように体を押し付ける。
「見てるだろ」
「もっと もっと」
譫言のように繰り返して、あかはちゅっと大神に吸い付く。
「椅子の方に行くから掴まっていろ」
大神自身はこのままあかが意識を飛ばすまで床でも構わなかったが、あかの体が自分ほど丈夫じゃないことをよくわかっていた。
「やぁ 離れ や っ」
首を小さく振って駄々をこねる姿は、小さな子供が我が儘を言っているかのようだった。大神が床とあかとの間に手を差し入れ、一気に引っ張り上げる。
「 ひ ───っ」
いきなり体を起こされ、深い部分を抉られて呻くように喘いだあかを、大神の眇められた目が見遣る。
衝撃を震えながら耐えるあかの背中を、大きな手がゆっくりと摩った。
「安心しろ」
「う ぅ ?」
「当分は抜ける状態じゃない」
考えることができないのか、あかは不思議そうに大神を見上げて首を傾げる。衒いのない問いかけの視線をあやすように、大神は指をあかの咥内に差し入れて上顎を擦った。
敏感な部分を撫でられ、背がしなるような快感に体に力を入れたあかは、交わってる箇所に違和感を覚えて窺う表情を見せた。
「わかったか?」
「 ン、な か、ナカで おっき 」
するりと出た言葉が恥ずかしかったらしく、赤い顔がますます彩りを増し、艶やかな艶を見せる。
身体中が蕩けてしまっている状態では気づかなかったが、ナカの大神の性器の形を締め付けると、その形の変化がよくわかった。
「動くぞ」
返事は待たずに大神は立ち上がる。小柄なあかは当然足がつくはずもなく、逞しい腕に抱きかかえられて歩調に合わせて揺さぶられるしかできない。
振動で、先に体内に出されたモノが床へと水滴を落としていく。
それを見るあかは泣きそうで、こんな暴挙に及んだ大神の肩を叩いた。
「おぉ がみ、さ のせーえき……っ 出 」
気を抜けば体を反転させて、その落ちた精液に縋ろうとするので、大神は顔をしかめてソファーへと倒れ込んだ。
勢いよく腰を下ろしたせいか、またあかの甲高い嬌声が上がる。
「せ、え き」
悲しそうに呟くあかを引き寄せ、近くなったうなじに舌を這わせた。
ほっそりとした、
白い、
きっと赤い歯形が似合う。
「俺だけから精液が欲しいか?」
ただただ生殖のことで頭がいっぱいになる発情期のΩに対する質問として、これ以上答えのわかり切っている物もない。
案の定、朦朧とした中で精液が貰えると理解したあかが、嬉しげに大神の首に腕を回して擦り寄った。
「お がみさ の、欲しい 」
どうして言質を取るようなことを尋ねるのか、あかはわからなかった。
ただ腹の奥底から、頭を押さえつけるように出され続ける命令に従うように、この立派な体躯を持つ男の精液が欲しくてたまらなかった。
「 」
あかの願いに大神は是も非も答えず、膝の上に乗せた体を両腕でしっかりと抱き締めた。
大きな唇が開き、吸血鬼のような尖った犬歯が隙間から見えた。耳元で行われるそれが何なのか分からず、あかは惚けたままだ。
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