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雪虫 17

「もうちょっと転がってようよ」 「   また今度な」  雪虫のフェロモンがほとんど出ないってのは、性的に成長できてないってことなんだろう。健全なお年頃の男子の寝起きに何が起きるのかってことを、わかってないらしい。  ここの所そんな暇がなかったせいか、治まりが悪くて……  ソファーに座り直して前屈みになってみるも、ちょっとコレはきついかもしれない。 「   えっと。夕飯の準備しないとだな」 「ええー」  不満そうな声を上げて頬を膨らませ、小さい頭を膝につけられてしまうと動けなくて、少しでも楽な体勢を探してモゾモゾと尻を動かした。 「食べなくてもいいよ」 「いやいや、よくないって」  人間の基本的な欲求も少ないのか、雪虫は進んで食事しようと言うことはなくて、むしろちょっと嫌がる素振りすらある。 「だって  」  だって?  言葉の続きを待ったけれど、やはりその先は出てこなくて。覗き込んだ顔が膨れっ面になっていた。 「ほら、エプロン取りに行ってくるから」  もっと駄々をこねるかと思っていたが、あっさりと離れて床に置きっぱなしになっていた絵本の方へと行ってしまう。  ちょっと振り向いて、何か言いたげにしてから、つーんと唇を尖らせた。 「早く行って来なよ」 「   ぅ」  とりあえずの急務は治めることが優先とは分かりつつも…… 「ごめんって」 「ご飯の方が大事なんでしょ」  どこの面倒臭いカノジョだと苦笑するも、それでも治まらないモノは治まらない。申し訳ないとは思いつつも、自室として使っている部屋へと入って座り込んだ。  背中の冷たいドアが少し熱を取ってくれやしないかと期待したが、一度立ち上がった熱は引くことを知らないようで……  シャツをたくし上げて、邪魔だから口に咥える。  ベルトを外して、パンツの前を寛げて、空気に触れさせた瞬間ほっとした。 「  っ」  何かオカズを とも思うも、探す物も余裕もない。  愚息に手を当てて根本をそっと緩く擦る。痺れるような気持ち良さを堪えるために、気がついたら眉間に皺が寄っていた。  裏筋、くびれ、先端は刺激が強すぎて、少し触るのを躊躇う。  どうせならもう少し気持ちいいことを感じていたくて、追い詰める動きをやめてゆるゆるとした手つきでゆったりと握り込んだ。 「   しずる?」  ひっと声を上げそうになったと同時に、先端から先走りが零れた。  竿を伝う滴の感触を、息を詰めて逃す。 「しずる?」  耳元   じゃない。  薄い扉を挟んで真後ろに雪虫がいるんだと、声の近さで分かった。  上擦らないように慎重に声を出す。 「  どした?」 「んー?戻ってこないから、どうしたのかなって」  直ぐ後ろにいる。  ちょっと辿々しい感じの声が耳をくすぐって、ゾクゾクとした震えに負けないように、握り込んだ手に力を込めた。 「  っ     なんでもない。すぐイくよ」  ぶるりと震えて、刺激の強い先端を指先で弄る。  窪みに指の腹を沿わせてやると、にちゃにちゃと粘っこい音と共にぬるつきがます。 「そ か。じゃあ、下で待ってる」  耳元に、雪虫の声。 「  待   っちょっと、何か……喋っててくれないかな?」 「なに?」  少し冷たいトーンに落とされた声に、ビクビクと体が震える。

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