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ひざまずかせてキス 32
先端を包んだタオルの中に吐精して、ぞわりと身体中が粟立った。
自分の体内にそう言った物があると再確認するのがただただ苦痛だったが、オレをイかせて満足そうな男の顔を見下ろしていると、悪寒が違うムズムズに変わりそうな気がして慌てて首を振る。
思うがままに人の乳首をこね回す手を叩き、にやにやしている顔を睨みつけた。
「とっとと イけよ。この遅漏っ!」
「ナオちゃんが一人で気持ちよくなっちゃうからだって」
騎乗位で腰を振ると相良のモノが絶妙な位置に当たってしまい、幾度も気を反らして射精感を逃がしたが、逃しきれず……相良より先に果てるなんて醜態を晒す羽目になってしまった。
「く っそ」
吐き捨てて睨みつけてやっても、相良は飄々としたものだった。
「 っ、……っ ぅ」
余裕綽々のその顔に苛ついて、ぐっと腰を反らした。
そうするとナカの形が変わるせいか、ぐぷりと更に奥まった箇所に入り込んだ感触がして、チリチリとした快感が脳へと駆け上がってくる。
「ぇ っちょ ナオちゃん⁉」
「 っ 黙ってろ」
体内の動かす位置を意識しながら、ゆっくりと腰を上げる。
それに引かれるようにナカの動きが変わり、ねっとりと相良のモノを咥え込んでいるのが感じ取れた。
男の筋張った竿や、先端のカリ、男のどこを刺激してやれば気持ちいいか なんて、さんざん教え込まれてきた事だ。
ぐちゅ と肉の立てる音に鳥肌が立つ。
それでも、ぎりぎりまで抜いたソレを一気に奥まで受け入れた時には、背筋を駆け上がるゾクゾクとした感覚に変わっていた。
「あー……っ んっ、 ン、 」
堪え切れなかった声を抑えるように口を覆い、またゆる と腰を上げる。
「ちょ、待 っ激 しっ」
ぱちゅんっと肌と肌がぶつかって水っぽい音がした。
自分の肌が立てた音なんだと泣きたくなったが、歯を食いしばる相良の顔にどっと心臓が跳ね、思わず浮かんだ「嬉しい」の言葉に戸惑う。
「ゃ、き、もち、 いいけど 、待 待って っ」
リズミカルに腰を振り、手を伸ばして揺れる股間の袋を優しくもんでやれば、いつもへらりとしている顔に苦悶が宿って、妙な満足感を覚えた。
この男の顔を歪めてやったと、仄暗い勝利感に唇が歪む。
内壁を擦る相良の肉が熱を持ち、膨れ、吐き出したいと訴えてくる。
腰を振る動作の一つ一つが追い詰めているのだと思うと、ただただ嬉しくて……
「あっナオちゃんっ 激し って!イク、イク っあーっ」
達する顔は苦痛の表情にも似ていて、征服欲だったのか何だったのか……
見下ろした汗を浮かべる男の顔に、胸が詰まる思いがした。
「卑怯っ」
「何が」
「卑怯だっ」
「だからっ何がだよ!」
頬を膨らませて子供の様に視線を合わせない相良は……子供の様ではなく子供そのままだ。
「あん あんな腰の使い方、されたら 」
「お前の経験が浅いだけだろ」
「そんなに経験豊富だって⁉」
経験 の、人数なんて数えてもいないし、数えられる数なんかじゃない。
気に入って繰り返し来た客もいたし、一度だけの客も大勢いた。
「 っ」
「俺だって刺激的な経験の一つや二つ! オモチャ使ったりとかっ」
そう言って相良は枕元に置いてあったUSBメモリを持ち上げて、オレの方へと身を乗り出した。
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