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いつも見ている彼は 4

久々に、吸入しないといけないかな? 久々だから、薬も持ち歩いてないや。 病院へ行かないと。 一瞬、大輝の存在を忘れた。大輝の顔が自分の目の前に来てびっくりする。 「ごめん。大丈夫だから。ゆっくり歩けば。このまま病院行くよ。かかりつけの病院この近所だし」 「病院、何処?」 「ここの近所。東中央病院だよ。」 そこの呼吸器内科がそうだ。 「あ、そこ?俺もそこに行くからいっしょに行こう。そこに入院してんだ、母親」 このへんでは一番大きい病院だからな。みんな行くんだろうな。 だんだん頭も重くなってきた。 やばい。 これは、本格的に苦しい。 「お前、ホントに大丈夫なのかヤバイんじゃないの?」 そう言って、大輝は僕を担ぎ上げてくれようとしたけど、 「いや、いいよいいから」 はっきり言って自分のペースで歩きたい。それに、それがストレスになって発作が強くなるんだよ・・。 ふと、視線を感じて後ろをみた。 すると、グラウンドでほかの野球部が練習する中、一人こっちを見ている奴がいた。 あれは?あれはたしか・・・。 その時大輝が 「近所だけどさ、タクシーで行ったほうがいいんじゃね?呼ぶよ?」 と言ってタクシーを呼んでくれた。

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