そんなこんなで、治療を終えて待合室に行くと大輝が待っていてくれていた。 「待っていてくれたの？」 「うん、かあちゃんにいろいろこき使われてさ、ちょっと休んでいたかったし。お前がそろそろ来るかなって思ってさ」 そう言ってにこにこ笑っている大輝はとてもなんだか……なんだかすごくかっこいいな、って思った。 別に、大輝と仲良くなりたいとかそういうわけじゃなくって。 ただ、見ていたい。そんな感じだったから嬉しかった。 だって、大輝は僕とは違う世界にいたから。 ……… …… … そして、その次の日の朝、昨日の体調を引きずっていて、ものすごく調子が悪い。 母親は学校を休んだら？とか言ってたけど。高校に入ってから、あまり休まなかったし出来れば休みたくない。 学校を休むと、それだけ自分が取り残された気がするしクラスにも馴染めないし。 ただでさえ、あんまり友達とも馴染めていないのに。 中学の頃はかなり休みがちだった。一週間まともにいったのなんて、数える程度だと思う。それで、仲のいい友人も作れなかった。家で一人で居ることも多かったし。だけど、寂しいとも思わなかった。 母親は、仕事でいつも居ないし。うちは母子家庭だから。父親もいないから、本当に家では一人だ。 だから……。 友達にいつもかこまれている、そんな大輝がきらきらして見えて羨ましいと思っていた。 きらきらしていて、それから……。