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いつも見ている彼は 6

最初、大輝を見かけたのは高校に入ってまもない頃。大輝はクラスはE組で俺はA組でだいぶはなれていたから、あんまり会わなかった。 ある日、学校の帰り、走ってくる誰かにぶちあたった。丁度、野球部が練習しているグラウンドの近所を歩いている時だった。 思わずつんのめって、一瞬、僕は何が起こったか分からなかった。 いきなり何かが飛んできた。そんな感じだった。 顔面から転がりそうになったけど、とっさに手を地面に突いた。 そして振り返って見ると。 「ごめん大丈夫?」 それが大輝。 野球部の練習でグラウンドへ急ぐ大輝にぶつかったみたいだった。 「あ、大丈夫」 手は泥だらけだったけど、別に何処も大丈夫だし。第一、ぶつかったぐらいで、怪我するような…僕じゃないし。 「おいおいー早くしろよ」 遠くから大輝を呼ぶ声が聞こえた。 「なんかあったら言って。俺いつもそこで練習してるから」 大輝はそのまま走っていった。 ほんの一瞬の事、きっと大輝はそんな事があったなんてすぐに忘れているだろうけど・・。 よくある出会い。よくある話だ。 そのまま、グラウンドを何気なく見に行くと……。それから、その時から俺は、大輝から目が離せなくなった。

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