こんなに大輝の顔を近くで見る事なんてなかった。昨日は、そんな余裕もなかったな。 帰りも一緒だったのに。 「ねえ、聞いてる？それともまだ咳で苦しい？」 急に大輝の声が聞こえた。あ。ぼーっと大輝の顔を見ていたから話を聞いていなかった。 しまった。 咳とかもう苦しくなくなっていた。どうやら、薬が効き始めたみたいだ。 「あ、いや・・あの…」 「返事、答えてくれる？」 え？何か聞かれたんだ、どうしよう、なんて言えばいいんだろう。聞いてなかったなんて言えない。 どうしようかと思っていると。 「聞いてた？お前・・ユウはただ、『うん』と言えばいいんだよ？」 と、大輝が言った。 「うん……」 だから…素直に言った。 「あっは。じゃ、OKね！」 「何？何？僕って今、大変な事をOKしたの？」 「いいんだよ。それで。じゃ、今日、学校終わったらクラスに迎えに行くよ？」 …なんで？なんで？ 「ええ？？」 「だって、おれと付き合ってくれるって言ったじゃん」 「……え……。な、何？何？」 それって、どゆ事？付き合うって…？？