頭が真っ白になった。 落ち着け……。 付き合うってどういう意味で言っているんだ？ 「付き合うって……それって？」 何かこれはとても勘違いをしているのに違いない。だから慌てちゃいけない。冷静にならなきゃ。 「お前、でっかい目をまたでっかくして見るなよ。面白い奴。だーかーらー。帰り、母さんの病院行くからさ。とりあえず今週は部活できないし一緒に帰れるよってこと」 そ、そうか、そういう事か。 「…それは、病院まで一緒に帰ろうって事？」 大輝はくすくす笑いだす。 「お前、ほんとに面白い奴」 「…だって」 「どっちにしたって、通り道だろ？」 たしかにそうだ。病院はすぐ近所だし。やはり…。そうだよね。病院まで一緒に帰るのを付き合ってっていうそういう事か。 自分を納得させた。 『付き合う』とか言うから驚いたよ。 噂では色々聞くけど、男子校とはいえ、男同士で付き合うとかそういうのはあり得ない。 しかも大輝に限って、それは無い。だって、となりの女子校の女の子達にいつも、騒がれてるし、モテてるし。 大輝は、部活やっているせいか肌が浅黒くって、しかも背も高いし爽やかでかっこいいし、モデルとかでもいいくらいだし、そりゃ、女の子たちに騒がれるハズだよね。 ホント、僕とは全く違う。