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まだ大輝のものじゃないなら襲ってもいいね? 1

… …… ………… それから2,3日が経ったある時、1年上の先輩で2年生の杉浦という人に呼び出された。 大輝と同じ野球部の人らしかった。 「望月と同じ野球部の杉浦正広だよ。知らなくてもしょうがないよな。俺は、そんなに有名じゃないし」 突然、僕に大輝との事を聞かれた。行き成りで驚いてもう一度聞き返す事になった。 「なんですって?」 杉浦はもういちど言った。 「だから、お前と大輝は、付き合ってるの?って聞いたんだよ」 僕はびっくりした。 「それは違います」 すると、杉浦は僕の目の前まで顔を近付けて言った。 「お前、なんにも知らないの??大輝ってさあ」 そして、ニヤリと笑う。 「え?何ですか?」 「……まぁいいよ」 彼は、もう一度ぐっと顔を近付けてきて僕の顎を掴む。 「……じゃぁ、俺にもチャンスが在るんだね」 クスッと笑って、それから唇をよせてキスをしようとした。 …なに?なんで?… 頭が真っ白になった。 反射的に杉浦を突き飛ばした。 「なんでこんな事…!?」 「…ふうん。もしかして、お前、大輝にキスもされてないの?勿体ない。じゃあ、俺がこのまま襲っても問題はないよね。だって、まだ大輝のものじゃないし」 どうしたら、そんな理屈になるか分からない。 僕はものじゃないし。 何故こんなやつの呼び出しに応じちゃったんだろう。 一人でこいつと会ってしまった事に後悔した。 しかもこんな、体育準備室なんて、何もないただの埃っぽい所になんて。 「いいじゃん。減るもんじゃないしさ。オンナじゃないから、色々心配もしなくていいしさ」 思い出した…。こいつ。 僕と大輝が話してる時……グラウンドでこっちを見ていたやつだ。 あの視線。こいつだ。 .

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