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まだ大輝のものじゃないなら襲ってもいいね? 2
杉浦がどんどん迫ってきて、僕は足元がふらついて倒れてしまった。
押し倒された形だ。背中でパスっという音がする。マットの音だ。さすがは体育準備室。床に直接、倒されていたなら背中を痛めてしまっただろう。
でも背中で倒れたその勢いで埃が舞い上がり、埃っぽい空気で僕はまた咳き込んでしまった。
くそ、早くここから出たい。
こいつを僕の上から早く退けさせないと。
この状況はかなりヤバイ状況だよ?
でもね。
杉浦は何か勘違いしてると思う。自分が体がでかいから、僕みたいな小柄で華奢って見えるやつなら、簡単にどうにか出来ると思っているんだろう。
でも、違うよ。
僕は、太れないだけなんだよ。今は。
色々、喘息の発作とか出て、あんまり食えないから肉が付かない。
だけどね、喘息ひどくなる前の小学生の頃までは、逆に、やや太り気味だったし、身体も大きかったんだよ?
その頃は、やってたんだ。
『コレ』を。
しかも、その時は強かったんだ。
僕は足に力を入れて、覆いかぶさって来る"ヤツ"の力を流すようにして・・。
そのまま───。
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