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付き合ってるの? 1
「まあ、いいや」
杉浦はあきらめたようにそう言い放った。
僕の傍を通って準備室を出て行こうとしたときに
「桜井ユウ。まさかぶん投げとばされるとは思わなかった。ねぇ、大輝にあきたら、俺と付き合おうよ。今度は投げるなよな」
そう言ってクスクス笑いながら僕の頬をするっと撫でた。
「お前…!」
それを見た大輝が怒鳴ると、杉浦は
"…分かってるよ"ハイハイとばかりに後ろ向きに手を振った。
杉浦が出て行くと、僕はその出て行ったドアを暫くわけもなくボーッと見ていた。すると、大輝が行き成り抱き締めてきた。
「…何??」
吃驚していると、大輝は、
「…ユウ、お前は、俺の事が嫌いなのか?」
そんな事を言ってきた。何で突然そうなるの?
「嫌いなわけないじゃない?」
「じゃ、なんで、付き合ってないとか言うんだよ?」
「………だって、付き合って…っていうのって…。そういうのって、好きとか、言ってからじゃないか…」
大輝は、僕の頬に触るとそのまま唇へと指をなぞるように優しく触れる。
それからそっと柔らかいキスをされた。
"……あ……"
……キスされたキスされた…!!
……頭が真っ白になっちゃうよ?
「言わなくても、分かるだろ?物凄く『好き』って」
顔が熱くなってきた……これきっと顔が赤くなっている。
「…ホラ、そんなに分かりやすいじゃん」
分かりやすい……。それって、僕の事……?
「だから付き合おうよって言ったよ?」
「…あれ…?だって?」
「お前、まさか、行き帰りを一緒にっていうのを『付き合う』とか勘違いしてない?」
……あれ?それ、『図星』……。
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