20 / 26
大輝の家へ 1
……
…
その日はそれから、何事もなく時間は過ぎて行って、放課後になった。
あの体育準備室で言われた事ってアレは?きっと思い違い?
きっとそうなんだ。そう思った。
何時ものように、大輝が僕のクラスに迎えに来て、僕は帰り支度をして一緒に帰る。
帰り道に大輝がふと、思い立ったように言った。
「ねえ、今日、俺の家においでよ?お前がやりたいって言ってたゲーム実はこの前手に入れたんだよ」
「え……?」
あれ?今日はお母さんの病院へは行かないのかな?そう思って聞いてみた。
「あー。実は母さんもうだいぶいいから、毎日色々行かなくてもいいんだ。それに今日は叔母さんが行くって言ってたしな」
「え?じゃあ、部活はいいの?」
「んー。今日は、部活休み。毎日やってるわけじゃないんだよ。きちんとオフを入れないと、だめだからってさ、休みの日もあるんだ。でも、俺はここのところ、母さんの事で休んでいたけどね」
「そうなんだ?」
「だから、おいでよ?」
にこにこして言う大輝に思わず返事をした。
「うん。わかった」
それは割と軽く。だって、あのゲームが出来るなんて。アレ手に入りづらいって聞いたのに。
………
……
…
大輝の家はよくある10階建てぐらいのマンションに住んでいた。僕の所もマンションなんだけれども、だけど大輝のところのは、割と最近に建てられているらしくて、結構綺麗な内装でエントランスもしっかりしていた。
ともだちにシェアしよう!