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デート_4
ニヤッと笑った陽翔は行列の中へと消えていく二人を見据えた。
「中身はともかくあの二人、見た目だけなら芸能人並みだしな。忘れがちだけど二人とも一応αだし。司と歩いてる時もなかなか視線感じるけど、長谷さんと並ぶと更にだな」
あれだけの混雑の中で二人が注目を集めているのは、一目で分かる。
「見た目だけじゃなくて、中身も良い人達だと思うよ?」
「あのさ、前から訊きたかったんだけど……郁弥、長谷さんに弄ばれてない?大丈夫?」
「え、ううん。全然そんなことないよ。長谷さん優しいし…」
「まあ悪い人間じゃないんだろうけど。俺は苦手。何考えてんだか分からないし」
確かに僕も最初はそう思ったけど……今はかなり印象が変わった気がする。
「そうかな?結構分かりやすい気もするけど…」
「それ絶っ対毒されてるって……。大体、いつの間に長谷さんと付き合ったわけ?」
「…………え、誰が?」
「いやどう考えても郁弥しかいないじゃん」
僕と長谷さんが付き合ってる………?
それって……もしかしなくても………。
「僕と長谷さんが恋人ってこと……?」
「え、そうじゃねーの?最近二人で妙に仲良いし、一緒に帰ったりしてるし、俺はそうなんだと思ってたけど……」
恋人………?
確かに仲は良くなったし、一緒に過ごす時間も多いけど……
好きとか付き合うとかそんな話してない、よね……?
「僕達、付き合ってないと思うんだけど……そんな事言われたことないし……」
「え!?逆にビックリすんだけど…何で、めっちゃ最近仲良いじゃん?」
「仲は…確かに良くなったけど………」
「はぁ?じゃあ一緒に帰ったりしてんのは?」
「ああ、あれは長谷さんの家にあるテーブルヤシって言う観葉植物を一緒に育ててるから、お邪魔させてもらってお世話してるんだ」
「…………意味分かんない。だって……」
郁弥は長谷さんのこと好きじゃん?その言葉には凄く驚いたけど、陽翔の時は逆だったっけと思い直す。
良くも悪くも親友だもんね……。
「……そうだね。僕は好き、かな」
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