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デート_20
「なーぁに?」
「えっと、ち、近くないですか……?」
「全然。むしろもっとくっつきたいぐらい」
「もっと、ですか…?」
「ずっとぎゅってしてたい。さすがにそれは出来ないから、これ以上離れてほしくないなぁ」
極めつけに「だめ?」と念押しされたら、嫌だなんて僕には言えない。
「長谷さん、郁弥にセクハラすんの禁止」
陽翔の腕が身体に回って、長谷さんから引き離そうとしてくれる。
「セクハラなんて酷いな。恋人同士なんだから、そのぐらいのスキンシップは当然じゃない?」
「んなの………え!?恋人!?なに、どう言うこと!?」
問い掛けの矛先はもちろん僕で、驚きに目を見開いた陽翔の顔が視界いっぱいに広がった。
「あ……その……」
「言葉の通りだよ。僕と郁弥くんは思いが通じ合った恋人同士、ね?」
「う………、は、はい………」
「て事だから――」
陽翔に向けて一笑を溢した長谷さんに、繋いだままの右手を力強く引かれて僕の身体はその懐へと抱え込まれた。
「返してもらうね。僕より触っちゃダメだよ」
「うーわ、心狭っ。郁弥、本当に長谷さんで大丈夫?いいの?」
長谷さん、陽翔からの信用ないなぁ。
「…うん、長谷さんが良い。だ、大好き…だから……」
「ふふ、可愛いなぁ」
ぎゅーっと抱き締められて、僕の体温は上がっていくばかり。
「あーあ、そんな幸せそうな顔しちゃって……ちょっと悔しい。なあなあ、俺らもやっとく?」
「無理に決まってるだろ」
「あ、照れてる?司、照れてんだろ?」
「……お前、後で覚えとけよ。」
何だかんだ陽翔だって幸せそうな顔してる。
「郁弥くん、次は二人きりでデート行こうね?」
「……はい!」
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