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欲_20

僕が二度目の絶頂を迎えると同時に、郁弥くんの身体が力なく胸元に倒れ込んでくる。 「…っ……郁弥くん…?郁弥くん……?」 「はぁ……はぁ…、………」 背中を揺すっても反応がない。 これは………失神させてしまった。 背中に手を添えて、ゆっくりとベッドへと身体を寝かせる。 荒い呼吸を繰り返す身体は吐き出した精に塗れて、劣情の激しさを物語った。 「………ごめんね」 濡れた目元に口付けると眉間のシワが消えて、幸せそうに笑うから僕も思わず頬が緩んだ。 ある程度身体を拭き取って依然眠ったままの彼を横抱きに、浴室まで移動する。 湯船に湯を張りながら身体を流して、頃合いを見計らって湯船へ。 後ろから抱えるように彼の身体を支えているこの姿勢だと、項が無防備に晒されている。 白い綺麗な項。 まだ誰のものでもない。 そこに伝う水滴を舌先で掬った。 「ん…、あ………っ…」 意識のない身体は微かに反応を示す。 ……噛みたい。噛んで、痕をつけて、自分だけのものにしたい。 歯が肌を撫でる感覚に全身が悦んでる。 このまま貫いてしまえたら………。 「………は、せさん…………」 「………っ………!」 浴室に響いた声に意識を引き戻され、慌てて顔を上げた。 「…郁弥くん………?」 「……んぅ………は、せさ……んぅ……」 「……寝言?…………ふふ、僕の夢見てるのかな」 傷付けたくない。大切にしたい。 こうやって腕の中で、いつまでも安らかに眠って、いつでも甘えてほしい。 「いつか君が甘えん坊になってくれたら、その時は僕と番になろうね」 だからそれまでは、ほんの少しの独占欲(キスマーク)をどうか許して。

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