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証_4
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とても心地良い夢から覚めると、一番に飛び込んできたのは眉間にシワを寄せた長谷さんの顔だった。
「………長谷……さん?」
「良かった、目が覚めて。おはよう、身体の調子はどうかな?」
瞼に優しいキスを受けながら、発情期を長谷さんと過ごしたんだったと思い出して瞬時に頬が熱くなる。
「郁弥くん?どこか調子悪い?」
「あ、いえ!全然!少しふわふわしてるぐらいです……」
頭はスッキリしているけれど身体は仄かに色情の余韻を残し、ふわふわとしてる。
「少し無理をさせちゃったかな」
眉尻を下げた長谷さんにそんな事はないと首を振った。
「あの、僕……凄く幸せです」
ちゃんと覚えてる。
項を噛まれた感覚。長谷さんの番へと身体を作り変えられていく感覚。
全てが長谷さんのモノになっていく感覚を。
長谷さんが微笑んで僕の項に指先を這わせてくれる。
「僕も幸せだよ」
「えへへ」
「ここ、本当に痛くない?結構深く噛んじゃったから……」
「大丈夫です。そうやって長谷さんに撫でられると温かくて気持ちいいです」
番の証。身体に刻まれた痕をこんなにも嬉しく思ったことはない。
「ふふ、郁弥くんも噛んでみる?」
「え?」
「僕の項」
「でも僕が噛んでも……」
「だめ?僕が噛んでほしいんだけどな」
お願い、と僕を見てくる長谷さんはちょっと可愛らしい。
「う、うまく出来ないかもしれないですけど……」
「いいよ、はい」
長谷さんが自ら晒してくれた項。
肌、白くて綺麗だなぁ……。
「じ、じゃあ……」
若干の罪悪感を覚えつつ、差し出された滑らかな肌へ歯を立てる。
「ふふ、そんなんじゃ痕にならないよ。もっと深く噛んで」
「う………んぅ……〜〜っ」
「んっ、そう……いい感じ」
舌先に血の味が広がって僕は口を離した。
「い、痛くないですか……?」
「うーん、痛い」
「え!?ご、ごめんなさい!」
「だけどそれ以上に嬉しいよ、ありがとう。消えたらまた付けてね」
「ま、またですか?」
「うん、だって郁弥くんのこの痕は一生消えないでしょ?だから僕の痕も一生消さないで。ずっと郁弥くんの僕でいさせて」
「…………はい!」
それから長谷さんは一緒に買い物に行こうと誘ってくれた。
ウンベラータと言う観葉植物を僕にプレゼントしたいのだと、それはそれは幸せそうに笑って。
【証 END】
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