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これ以上は時間の無駄だと悟り、白根は屈みこんですでに硬くなりかけている陽物に舌を這わせた。蝋燭も点けず手探りで求め合った昨夜の感触が蘇り、そのつもりはないはずなのになんとなく気分が昂ぶるのを感じる。松岡の指が首筋を伝い、ぞくりと快感が襲う。 「聞き込みに来た刑事って、背の高い奴?いい歳なのに学生みたいな顔した」 「うん……」 「あいつ、前からお前のこと目をつけてるだろ。大丈夫か?」 「大丈夫って……なに」  松岡は白根の髪をぐいと掴み、怒張したものを深く咥えさせる。 「あれを運んでいるときに尾行されてないかってことだよ」  どくんと心臓が跳ね上がった。口内を犯されたまま弁解することもできず、白根は小さく首を振った。  それはない。あの男……大木戸なら、後をつけられたら絶対にわかるはずだ。あの男は隠れたりせず堂々とついてくる。虫も殺さぬような顔で。でも、目だけは冷静に獲物を追っている。  絡みつくような視線を瞼の裏に描くうちに、白根は自身が痛いほどに勃起しているのに気付いた。 「そういえば、あれをどこに隠したか訊いてなかったな」  松岡はまだ達していないものを引き抜き、白根の昂ぶりに目をやるとにやりとした。 「このままで仕事に戻れるのか?」  服の上から強く扱かれ、思わず声が漏れる。 「この部屋にあるのかと思って探したが、時間の無駄だったよ」 「ここじゃない……父が生きてたときには釣り道具が置いてあってよく出入りしてたから、隠せなかった」  白根は弱々しく弁解したが、松岡はそんなものは求めていなかった。 「どこにあるんだ?答えたら、仕事ができるようにしてやるよ」  達する寸前で手の動きを加減され、白根は焦れて躰を捩る。 「なんだよ、こんなに慾しがってる癖に。仕事中だなんて殊勝なこと言いやがって……」  吐き捨てるように言いながら松岡も余裕がなさそうに白根の躰を抱き上げた。臀の割れ目に男の陽物が当たる。白根は自ら腰を落として男を受け入れ、甘美な痛みに漏れる声を噛み殺した。突き上げられる熱に翻弄され、はやく解放されたいのに離れがたく、白根は松岡の頸にしがみついた。 「白根、答えろよ」  荒い息のなかで松岡が問う。眩暈のような感覚に襲われながら、白根は呟いた。 「山に……埋めた……」  言葉にした途端、あり得ないとわかっていながら大木戸が聞きつけたような気がした。

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