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第33話
「恵兎のなか、良かっただろ。よーく慣らしてやると女よりも淫らな穴になるんだよ……絢太のもな」
「あ、あ……や、こわい……」
これ以上新しい扉を開いたらどうなってしまうのか、怖い。自分ひとりで得られない快楽に溺れてしまうことが怖かった。
「シオさん……早く……っ、見られちゃう」
「誰に?」
「あ……お店のひと、とかっ。あれ……カメラでしょ?」
部屋の隅、天井の黒い半球の中はカメラが仕込まれているはずだ。それは遠く離れた場所でモニタリングされている。こんな姿を誰かに見られたら……しかも男同士なんて、言い訳のしようもない。
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