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「奏、着いたよ」
「んー」
家に着いたが奏はソファに体を沈めたまま動かない。何度も来ている奏の家は、勝手知ったる他人の家。何も言わず冷蔵庫を開けては、ミネラルウォーターをコップに注いで奏に持っていった。
「ふろ」
「今日は風呂やめて、明日入りなさい」
「やぁ!」
「やぁって。はあ……じゃあ、シャワーだけね。あと、俺も入るから今日、泊めてね」
水を飲んで少し落ち着いたかと思いきや、次は風呂に入りたいと言い出した。シラフの時も大人びているといえないが、酔うとさらに幼くなる奏は、言うことを聞かない事を経験から知っている。結果、音羽が折れる事となった。
転倒したらと考え、音羽も一緒に入ると言ったら嫌がることもなく、逆に早く入ろうと誘われてしまった。
大して広くもない普通の風呂場は大人の男二人が入ると狭い。風呂は沸かしていない為、縁に腰かけ、洗う奏を見ていると、ウトウトと瞼が落ちていき、手を止めてしまった。
「ほら、タオル貸して。洗ってあげるから」
見かねた音羽が、泡立てたタオルをほとんど意識のない奏から奪い取り、洗っていった。
「んっ、ん~~」
普通に洗っているのに、奏は感じているような声を出していく。甘い声を出す奏の様子に音羽はイタズラ心が芽生え、少し出っぱってきた乳首を掠めるように洗っていく。
「あっ…」
「硬くなってきたけど、感じてるの?ただ体洗ってるだけだよ?」
酔って興奮してのか、脇腹を撫でただけでもビクビク震えている。上半身を洗い終わり、下半身を洗ってあげるが腿を滑るように洗っただけで真ん中の熱には触らず、奏はもどかしく感じていた。
「ぁ、おとは……ここ、も、触って」
「ここってどこ?」
「ぺ、ペニス」
「そこは俺、洗ってあげられないから自分で洗いな」
「んぅ」
「ほら、洗って」
「あっ」
腿から集めた泡を奏の手につけてやり、その手を角度がつき始めている陰茎に持っていく。待っていた刺激に、奏は音羽がいるにも関わらず、扱き始めた。
「はっ、ぅあ、ぃ、いい、は、あっ…あっ」
「奏はいつも洗う時、オナニーするの?」
「ぁ、し、しなぃ……ぁ、ぅあ」
「しないの?ライブの時、おしっこ我慢して感じてる淫乱なのに?」
「ぇ?」
音羽の突然の言葉に扱いていた手を止めた。快楽だけを追っていた頭は真っ白になり、快楽と酔いがどんどん冷めていった。
「気づいてないと思った?膝をすり合わせながら小股でよちよち歩いてたら簡単に気づくよ」
「ぁ、ちがっ……」
「今日は長かったから我慢のしがいがあったんじゃない?」
「ひぅ!」
反論しようとしたが、突然の刺激に声が出なかった。音羽の手が扱きを止めた奏の手に重ねて上下に動かす。自分の速さや、タイミングでやるのではない他人からの動きに先ほど以上の快楽がきて、冷めた熱もすぐに上がった。
「あっ…はっ、はっ、ああ…や、やぁ~~~」
「トイレの外まで声も音も漏れてたよ。気持ちよかった?」
「ぅあ…き、ぃあ…きもち、きもちいい」
「そっか。それはよかったね。じゃあいっぱい洗わないと」
「ああ、あ、あぅ、あっ、んんん~~」
自慰以上の快感に奏は、比較的早く果てた。放出された熱は、重さがあるのか、ぽとぽとと音をたて、タイルに性器に纏っていた泡と共に落ちた。
「濃いね。本当にしてなかったんだ」
「はぁ、はぁ……ぁ、出る、で、ちゃう」
「えっ、まだ出るの?」
「はぁ、あ、ぅあ」
腰を震えさせ、体を前のめりにしたと思えば、熱を放出したことで芯をなくした性器から、白濁とは違う黄色い液体が出てきた。精液よりも量のあるそれは、白濁で汚れたタイルをさらに汚していく。
「あー、おしっこ漏らしちゃったね」
「やだ、ぁ、見ちゃ、みちゃ、らめ」
お酒のせいか、溜まっていたのか、止まらない尿は精液を排水口に流していく。勢いがなくなってもちょろちょろときれが悪く、尿口から溢れていった。
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