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2nd stage

「ん、んあ……」 カーテンから差し込む光に奏は目を覚ました。エアコンが効いているから、朝は肌寒く感じ、はだけた布団を肩まで上げる。 二度寝をしようと寝返りをうったが頭にズキッとした痛みが襲い、二度寝は叶わなかった。 「ぃってえ……なんか、腰も重い……なにした?俺」 うつ伏せになり、枕に顔を埋める。腰を摩りながら、酒で飛んだ記憶を順に整理していくと、痛みの原因を思い出した。 「ぅあ!何してんだおれ~~!……いや、待てよ。何かしたのはアイツだよな」 風呂場での情事を思い出し、頭を抱えた。だが、俺は一緒に入っただけで何もしていない、と奏は思った。 「途中で寝そうになったのは悪かったし、オナったのもあるけどあれは生理現象だし」 ガチャ 「奏、起きた?」 昨日のことについてグチグチ文句を呟いてると、その原因となったアイツ、音羽が部屋に入ってきた。 奏は、昨日の情事について考えていた真っ最中で、音羽の姿を見ると股間に目をやった。 「(俺、あれを挿れられてたのか)」 「何、朝から盛ってるの?ヤる?」 「ヤ、ヤんねぇよ!てか、何してんだ!昨日!」 音羽の言葉にまじまじと見てしまっていた事に気づいた。頭を振り、思考を払拭する。振った際、二日酔いの頭痛がし、その痛みごと、目の前の人物を睨みあげた。 「何って。セックスだけど」 「ちげぇよ!何でヤったんだって聞いてるんだ!」 「んー。奏が誘ったから?洗ってるだけなのに感じてるし、いきなり扱くし。最後にはおしっこ漏らしながら俺の方見るし」 「誘ってねぇし、そんなに詳しく説明しなくていいっ!」 返される言葉に頭痛が増す。この痛みの大半は二日酔いの痛みじゃない。眉間に手をやり、ぐりぐりと押した。押し問答になった会話にもういいかと思ったが、これだけは言わなくてはいけないことがあった。 「だとしても、入れることはねぇだろ」 「好きな子が誘ってるのに、我慢できる男はいないよ」 「は?お前は好意を持ってる奴なら誰でも抱くのかよ。仕事仲間だぞ」 「……奏だからだよ」 最後に言った音羽の言葉は小さく、奏には届かなかった。 ベッドにスタスタ寄り、乗り上がった音羽は、体を起こしていた奏を再びベッドに押し戻した。そして、膝で股間を押し上げる。 「ぅあ!ちょっ、押すなっ(まだ、起きてからトイレ行ってないから押されると)」 「ライブでわざとトイレ我慢するまで溜まってたんでしょ?」 「っ、言わなくていい!」 「……ならさ、俺もまぜてよ」 グッ 「あっ、」 じゅわ…… 股間を強く押され、尿がパンツに滲む。音羽の手が肩から膀胱辺りに移動してさすった。 「アイドルなんて女、連れ込んだらすぐスキャンダルだよ。……昨日、気持ちよかったでしょ?」 「ッッ!」 ドンッ 「ぅわ」 奏は、音羽を蹴り退かし、拘束から逃げると、トイレに一目散に走った。ズボンとパンツを一緒に脱ぎ、尿口を便器に向けると、尿は綺麗な放物線を描き、便器に吸い込まれていった。 「ま、間に合った……」 立ちながらやっている為、座ってやる時よりもジョボジョボと音が大きく響く。 排尿をしたことで先程まではトイレのことでいっぱいだった頭は冷静になった。 「なんだよ。俺も交ぜろって。何考えてんだ、アイツ……いや、まあ、気持ちよかったのはたしかだけど」 出ていく尿を見ながら、音羽の言ってた事を考える。朝のトイレは長い。まだ、排尿は続いていた。 ガチャ 「奏ー、服借りたからね」 「開けんな!バカッ!」 家でのトイレを見られるのは、外のトイレで隣に立ち会った時より恥ずかしかった。

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