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第5話
「ひゃぁぁ…あ、あぁ……っ」
上体を前倒しにしている事で、長大な楔を穿たれた蕾は、その太い茎に纏わりつくように薄い粘膜を目一杯に広げていた。
荒い息遣いと共に腰をガッツリと両手で抑え込まれたまま、後ろから激しく突き込まれる。
決して広いとは言えないキッチン。
壮登が俺の体に体当たりするように動くたびに、しっかりと固定されているはずのシステムキッチンが揺れた。
彼から与えられる刺激によってとめどなく溢れ出る愛液が楔によってグチュグチュと卑猥な音を立てる。
俺は顎を上向けたまま、何度目か分からない絶頂を迎え、墨色のキャビネットに白濁を撒き散らす。
休む間もなく喘がされ、唇はもう閉じることを忘れたかのように開かれたまま唾液を溢れさせている。
人造大理石で作られた天板にポタポタと滴る唾液を、体を支えている掌がずれるたびに引き伸ばしていく。
「あ…あぁ…っ、ふか…いっ!」
「ほら…もっと腰を突き出してっ。蓮は綺麗だよ……俺の妻だ」
「いや…ぁ……あ、あ、ひぃ……っ」
壮登の突き上げがだんだんと激しくなっていく。獣の血を引くαは番への受精を確実にするために陰茎の根元に亀頭球というコブ状の膨らみがあり、勃起と同時に膨れ上がり結合部が抜けにくくなるようになっている。
彼もまた、その血を純粋に受け継いでおり、完全に射精が終了してコブが小さくならなければ中に入った陰茎を抜くことは出来ない。
ハタから見れば少々幼く見えるであろう壮登だが、あの場所は野生の獣そのものなのだ。
それまで慎ましく濡れていた蕾がそのコブによって大きく広げられ、入口はすっかり彼のコブを咥え込んで離さない。
「あぁ……蓮…っ。出すよ……っ、俺の精子……いっぱい出すよっ」
先程から首筋に感じている痛みは、おそらく壮登が牙を立てているのだろう。
交尾中の獲物を決して離さないように、それでいて甘噛みにも似た痛み……。
それだけで俺の背中に甘い痺れがゾワゾワと駆け抜けていく。
「はっ、はっ……あぁっ……出して。俺を……愛して…くれる…なら、出して!」
「当たり前だっ!俺はお前を…あ、愛してるっ。だから……俺の子を……孕んで、くれ……」
「あぁ、来る…っ。来ちゃうよ……壮登の精子……お腹のなかにっ」
「イ、イクよ……っ、蓮……愛してるよ……っ!――っく、あぁぁっ」
「ひゃ……俺も…イ、イク……イクッ!きゃぁぁぁっ」
ビクビクっと腰が大きく痙攣し、奥深くまで突き込まれた彼の楔をぎゅぅぅっと食い締める。
自分のペニスがブルリと揺れて白濁を撒き散らすと同時に、下腹の奥の方で灼熱の奔流が何度も擦られて敏感になった壁を叩きつけた。
「あ…熱い……。壮登の精子……熱いっ」
「お前の子宮をいっぱい満たしてあげるからね……。まだ出るよ……」
「はぁ……く、苦し……ぃ」
「今まではきっと、注ぎ足りなかったんだね……。ごめんね、蓮…。俺が不甲斐なくて……。今日からはいっぱい、いっぱい注いであげるからね」
「壮登……っ、俺……俺、お前を…っ」
「今は黙って…。子宮 で感じて……俺の想いを」
壮登の一回の射精はゆうに三〇分を越える。その間、温度の変わることのない精子を受け入れ、時々抉られる快感に子宮を震わせる。
天板の上にぐったりと倒れ込んだ俺のTシャツをめくりあげて、背中にキスを振らせながら胸の飾りをきつく摘まむ。
そのたびに小さな声が漏れ、中の壮登を食い締めた。
予兆はあったものの、発情期で急激に高まってしまった体は気怠く火照っている。
うっすらと目を開けてはいるが、見えているはずの光景は涙で滲んで良く見えない。
「蓮……、蓮……」
愛しい伴侶の名を何度もうわ言のように呟きながら、俺はゆっくりと目を閉じた。
霞がかかった頭の中が動きを止めていく。
(眠い……)
肩甲骨に壮登の唇が触れた時、俺はすぅっと意識を失った。
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