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case 雪 3
律は雪を裸にすると、腹這いにして尻を突き出させ、菊門をたっぷりと濡らして慣らしてくれた。
「もうおちんちん挿れても大丈夫そう……雪、ほんとにイヤじゃない?」
雪は律の枕にしがみつくようにしながら、頷いた。
「うん……律の挿れてほしい……」
律の表情は見えなかったが、腰に口づけられたのがわかって、それが何だか嬉しかった。
「ちんこ挿れるのなんて久しぶりだなぁ……ほんとに下手くそだったらごめんね?」
ゴムを着けながら言う律に、雪はううんと言って首を振る。テクニックなどどうでもよかったし、イケなくても構わないと思った。律を中で感じて、律とのセックスを経験したかった。
菊門に律のペニスが押し付けられて、いつもなら絶望か恐怖に近い感情が湧くところが、雪の胸は熱い鼓動を打っただけだった。
「ゆっくり挿れるからね……イヤだったら言ってね」
その声も優しくて、早く挿れてほしいとすら思って、雪は熱い息をつく。それが合図になったように、律の硬くなったペニスが、雪の菊門を押し開き、ずぶずぶと入り込んできた。
「あっあっ……あぁんっ……!」
雪は枕をつかんで甘い声を上げる。喘ぎながら欲しかったものを全部飲まされてしまうと、身体が悦びに震えた。
「っあ……すごい、雪、熱くてちんこ溶けちゃいそう……っ」
律の荒い息も、快感を帯びた声も、雪の耳に心地よく響いた。
「……んっ、僕、も、お尻気持ちいい……」
素直にそう言うと、よかった、と言って律は優しい手つきで背中を撫ぜてくれた。それがまた快感を呼んで、雪は高い声を漏らして震える。
「雪の身体、素敵だよ。俺は好き。一緒に気持ちよくなろ……」
律はそう言って、ゆっくり腰を遣い始めた。熱いもので熱をかき回されるようで、菊門から奥までが全部気持ちよくて雪は喘ぐ。
「あっ律っ……あっあっ……気持ちいいっ……! 気持ちいいよぉ……!」
「ほんと……? 俺もちんここんなに気持ちいいの初めてかも……」
「あっはぁっ……律のちんちん、ヤじゃないからっ……いっぱいずぼずぼして……っ!」
律に腰をしっかりとつかまれて、ぱちゅんぱちゅんと水音が響いて、そして出入りしているのは律の性器なのだと思うと、こうされて気持ちよくなれることが幸せだと思えた。雪は枕にしがみついて、喘ぎ声を上げながら、気が付けば自分でも腰を動かしてしまっていて、自分のはしたなさをどうすればいいのかわからなくなる。
しかし雪の不安を拭い去るように、律の熱っぽい声がした。
「雪、すっごくえっちでかわいい……っ! 俺でよかったら、いつでもちんちん挿れてあげる……ずぼずぼして気持ちよくしてあげる……っ!」
律の言葉が嬉しくて、その嬉しさが身体に満ちたかのように、下腹部の熱が高まった。たまらなくなって、雪は声を上げる。
「律っ……! 律っ、僕だめっ……イッちゃう……! やん、もうだめぇぇぇ……!」
律は何も言わないで、腰を強く押し付けて奥を何度も突いてくれた。雪はもう言葉など出なくて、切なく鳴きながらびくびくと身を震わせる。律のペニスを食い切ろうとするように締めてしまって、申し訳ないという思考は頭をよぎったけれど、自分の身体をどうすることもできなかった。
「あっ……あー……っ!」
長い絶頂にうまく呼吸もできなくなって、雪はシーツを乱して震える。それを律が後ろから抱くようにして、身体を優しく撫でてくれた。
「大丈夫、ゆっくり息して、そう、ちょっとずつ息吐いてみて」
雪は目眩がして、そして言われた通りに呼吸をしたとたん、身体の力が一気に抜けてくず折れた。
「ん、雪、すごく上手に気持ちよくなれたね……。とっても可愛かった……素敵だったよ」
そう言って律がこめかみに口づけてくれても、それを嬉しいと思いながら、雪は口も利けなかった。
身も心も蕩けてしまった雪をベッドで休ませてくれながら、律は雪の髪を撫でて言った。
「ねえ、俺雪とのセックスすごく気持ちよくて嬉しかったけど、雪はやっぱりもうセックスしたくないって思う?」
雪は首を振った。律とのセックスは甘くて、一緒に気持ちよくなれることが嬉しいと思えた。
「よかった。ねえ雪、ここの人達とのセックスはイヤかもしれないけど、いつか雪がこの人とならいっぱいセックスしたいって思える人と会えるかもしれないよ? そんな人と一緒にたくさん気持ちよくなれる雪の身体、とっても素敵だと思わない?」
そう言って律は指先で雪の耳をくすぐってきた。それだけで雪は小さく喘いでしまう。
「雪、ほんとに可愛い。俺は雪がえっちな身体になってくれて嬉しいから、雪もあんまり悲しまないでほしいな。だめ?」
だめじゃない、と伝えたくて、雪は律の手を取って何度もキスをする。律はくすくすと笑った。
「雪の唇気持ちいい……ね、俺の乳首吸ってほしいな……イヤ?」
雪は首を振って、律が服をたくし上げて晒した愛らしい乳首に吸い付いた。律は甘く可愛い声を上げて、それを聞くと雪の腰もまた痺れるようで、二人は狭いベッドの上で、互いの身体を擦り合わせるようにして愛し合った。
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