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秋の鑑賞会 後編
「いや……いやぁぁゆるひてぇ……っ! やめ……うあっ……やめて……ごめっごめんなひゃ……っ」
青年は身をびくびくと震わせながら、解放されたさに謝罪すら口にし始めた。哀れにも晒しものにされているだけの彼に罪などあるはずもなかったが、責めに耐え切れずに泣いて謝る姿は憐憫と欲情をより煽った。
「ああああ……! らめぇ……っ! らめ……いやぁあああ……っ!」
青年は尻を突かれながら、ペニスから透明な液体を溢れさせた。それは男が奥を突く度に噴き出し、ぼたぼたと床にまで落ちた。
痙攣の止まらない青年の中で、男は間もなくして果て、ペニスを引き抜くことでまた青年を高い声で鳴かせた。袖からまた別の男が出てきて青年の拘束を解き、もはやいましめがなくとも何の抵抗もできなくなった青年を抱えて、幕の向こうへ連れて行った。しばらくの間会場には拍手が満ち、やがてそれが静まる頃に、また別の哀れな子羊が同じように目隠しをされて連れて来られた。
先の青年より身体も小さく、幼さを感じさせる少年は、顔を客席に向けた状態でうつ伏せに拘束され、丸く白い尻は突き出す格好で固定されてしまった。まだ柔らかく小さなペニスが無防備に垂れているのも、客席からよく見えた。
拘束が外れないことを確かめられて、少年は目隠しを取られる。突然目の前に現れた多くの注視する目に驚いて、少年は短く声を上げたが、もはや彼は苛まれ辱められるだけの存在でしかなかった。
「なっ……なにっこれっ……これいやっ……やめてっ……」
少年は不安と恐怖の滲んだ声で言って、手足を動かそうと身動ぎしたが、拘束はびくともせず彼の絶望を深めた。そうしている間にも彼の背後にシリンジを持った男が立つ。そしてその中身を少年の菊門に注入した。
「ひっ……いやあっ……!」
少年の悲鳴を無視して、男は少年の菊門に指を入れぐちぐちと音を立てた。シリンジの中身は潤滑剤だったらしかった。
「やめっやめてよぉっいやだっ……!」
少年は必死で訴えていたが、男は卑猥な形をした道具を手にすると、少年の尻にあてがった。それはとても滑らかに少年の中に挿入されて、少年は甘く高い悲鳴を上げた。そこに苦痛の気配のないことが、彼の身体がすでに男を知っているそれであることを感じさせた。
「いっいやっ……何っ……抜いてっやだっ……」
心もとなく言った言葉に答えるように、バイブレーションの振動音が響き始めた。少年の身体が大きく震え、その目が見開かれる。
男は振動し続けるその淫具を、ずぷりずぷりと前後に動かして少年の尻を責め始めた。
「ああっあっあっやだぁっやめてぇ! やめてっそれだめぇ!」
少年の激しい抵抗の声の理由は、彼の身体を見ればすぐにわかった。小さかった彼のペニスは見る間に膨れ上がり、硬くなって反り返って、彼の性的な興奮を目に見える形で示していた。
「いっいやだぁっ……見ないで……やめてぇ……っ!」
少年は今にも泣きそうな声で言って目をつぶる。己の性器に視線が集中しているのを感じたのだろう、彼のペニスはひくひくと震えてみせた。
じゅぷりぬぷりと濡れた音を立てて少年の尻は責められ続け、振動音は響き続けた。少年の息は荒く弾み、抵抗する声の合間にたまらぬ快感に染まった喘ぎ声が混じる。彼の身体はもはや菊門を犯される快感に逆らえないように躾けられているようだった。
「やだっ……やだよぉぉっ……! あっやんっ……! お尻やめてえぇ……イクっ……イクのいやぁっ!」
少年はひときわ高い声を上げ、ペニスの先端から白い精を勢いよく吐いた。彼の精液はべちゃりと音を立てて、先ほどの青年が溢れされた体液と床の上で混じり合った。
淫具を抜かれ、はあはあと荒い息をつく少年の肌は桜色に色づいて、強い色香を放っていた。観客がその様に見入っている最中に、司会の声が割って入ってきた。
「さあ、いかがでしょう。この少年を試食されたいお客様、いらっしゃいますでしょうか」
会場からはいくつかの声が上がり、少年は表情を硬くした。目が不安げに動き、唇の震えるのが見て取れた。
客席から一人の男がステージに上がってくるのを見て、少年は絶望に似た表情を浮かべた。
「や、やだ……」
男はコンドームを受け取ると、少年の後ろに回って、ベルトを緩め、ズボンの前を寛げ始めた。
「やめて、やめてくださいっお願いっ……お願いします……!」
少年は懇願したが、その様子もまた観客の目と耳を充分に楽しませるものだった。
「お願いだからこんなところで犯さないで……! いや……っ」
少年の願いは切なる響きを伴っていたが、男は何の躊躇もしなかった。己のペニスをしごき上げてゴムをかぶせると、大きな手で少年の尻をつかむ。少年の怯えた声を無視して、抵抗するすべもない哀れな菊門を犯してしまった。
「ああああっ……あっうそ、いや……! いやぁ抜いて……やめてよぉ……!」
男の性器を尻に飲まされ、少年は悲愴な、しかし快感に濡れつつある声を上げた。
男は少年の具合を確かめるようにしばらく腰を押し付けていたが、両手でしっかりと少年の細い腰をつかむと、パンパンと激しく腰を打ちつけ始めた。
「あっあっあっ! い、いやっあんっ、やめ、やめてぇぇぇ……! やだ、なんでぇっ……ひんっ……こんな……やだぁひどいよぉ……!」
少年の哀れな声は会場に響き渡った。望まぬ性行為を強要され、切なく喘ぎ、口で嫌がることしかできない少年はとても哀れに思えたが、彼の身体はやはり先ほどと同様に性感を覚えて興奮してしまっていた。
会場には少年を犯す音と、少年の泣き喘ぎ嘆く声とが満ちた。
「ひぃんっ……やっなんでぇぇ……! こんなのいやあ……っ! やめて、たすけてぇぇ……!」
少年は涙をこぼし始めたが、その声音も息遣いも犯される快感に染まっていた。相反する心と身体の矛盾は、まるで芸術作品のように観客達の目と耳をとらえていた。
拘束され、見も知らぬ男に陵辱され、泣くことしかできない姿を大勢に鑑賞される少年は不憫であると同時に、たまらなく愛らしかった。
彼もいずれ、男に責め貫かれる快感なしでは生きていけぬ身体になるのだとここにいる誰もが知っている。まだ心までは快楽に従わない未熟な愛玩少年は、儚く危うげで憐れみを誘う今だけの魅力で満ちていた。
屹立した男性器に責め立てられ、少年は泣きじゃくりながら再び精を散らし、細い身体を痙攣させた。それでも彼を犯す男はまだ果てず、少年の鋭敏であろう尻を突き続け、少年はもはや言葉にならない声を上げることしかできなかった。
やめて、ゆるして、という言葉が時折聞き取れたが、少年の嗚咽と悲鳴はいたぶられる獣にも似ていた。
美しく、男を惑わせる色を持って生まれてきたがために、このような責めを受ける彼らの存在は切なくも愛しかった。
その夜の鑑賞会は、彼らの甘い喘ぎと涙と精に濡れながら、夢のように夜更けまで続いた。
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