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case 康 4
ピストンマシンはそのまま康の部屋に置かれることになり、康はますます暁の調教のもとにあることを実感させられていた。
暁の言うことを聞かなければならないという意識と、尻を犯されたいという欲とが混じり合って、まるで拘束を受けているような心地だったし、そしてそのことに興奮を覚えている自分があった。
暁に抱かれて、喘いで、射精することなく果てて、いい子だと褒められたいといつの間にか考えていて、康は己の意識に戸惑う。
暁の要求に無茶だと反抗する心は、知らぬ間に康の中からすっかり消えてなくなっていた。
暁の下で女のように鳴いて、女のように果てることは恥ずかしかったけれど、それで暁が褒めてくれるのならそうしたかった。温かい抱擁と甘い口づけが欲しかった。
暁が仕事で家を出ている間、広い部屋の中で康は一人だった。寂しくないかと訊かれたこともあったが、食べ物も飲み物も充分にあって、快適なソファもベッドもある部屋で過ごせるのだから平気だと答えた。本当を言えばもっと暁と過ごす時間が欲しかったけれど、そればかりは仕方のないことだと思った。
留守番をしていて考えることは、大半は暁のことだった。康は実際暁のものだったし、康の生活のほとんどは暁から与えられたものでできていた。
そして、康がここにいる理由は、暁の欲望を満たすために他ならない。そのために康は時間をかけて調教を受けたのだし、暁は少なくない金を支払ったのだ。
暁が自分を抱きたいと思っていることを考えると、下腹部がじんと熱くなった。最後に暁に抱かれたのはもう何日前だろう。暁の言った通り、男性器に馴れすぎた康の菊門は、二日も開けば肉棒を恋しがり、切なくうずくのが常だった。
康は躊躇う気持ちをしばらく持て余し、結局菊門を清めるために部屋を出た。
暁に与えられた機械を据えて、服を脱ぎ、菊門とディルドとを濡らして、四つん這いになる。コントローラーのスイッチを入れると、機械音とともにディルドが動く気配がして、つい喉を鳴らしてしまった。
位置を確かめながら腰を揺らして、先端を菊門に誘うと、濡れたものが触れ合う音がしていっそう欲が煽られた。うずきに耐えられなくなって、太く冷たいそれを、ずぷりと己の中に押し込んだ。
「ああんっ……!」
先端が入った、と思った次の瞬間には、ピストン運動によって康の奥深くまでディルドが入り込んできた。犯された感覚に声を漏らせば、機械の規則正しい動きで、何度も奥を突くことを繰り返される。
「あっあっ……ふあっ……あぁっ……」
四つん這いの姿勢を保とうと努めながら、身体が快感に震え、力んでしまうのはどうしようもなかった。男性器を模したそれは、性交の動きによく似て菊門を力強く犯してくれた。
「あっあっんっ……はぁっ……」
康の身体は、こうして中を責められる快感には無条件に従順になるよう躾けられていた。菊門を責められれば乳首もペニスもすぐに反応して勃ち上がり、思考すら簡単に鈍っていった。挿入され、突かれる感覚が自分を支配していくことに、康はもはや抵抗できなかった。
手元のコントローラーを操作して、ピストンを速めると、康の喉はたやすく甘い鳴き声を上げた。
「ああっやあん!」
ディルドが菊門を責め立て、康は背をしならせた。自分の意志でこの機械に犯されるのは初めてで、その悦びは期待を裏切らなかった。
「やっやあん……! ああっああん……!」
暁に言われた通りに、康は快感のままに声を上げる。部屋は機械音と康の喘ぎ声でいっぱいになり、それがまた康の耳を犯した。
冷たかったディルドも康の内側で温められて、より感覚が性交のそれに近くなる。突かれる度にこみ上げてくる感情は、気持ちよさと切なさが入り交じっていた。
「あーっ……ああぁっ……んっうっあああぁ……!」
四つん這いの手足を震わせ、身悶えながら、康は菊門の快感に喘ぐ。
部屋のドアが開く音がしたのは、あまりにも唐突だった。
性感に支配されていた康の頭は、すぐには事態を把握できず、そこに立っている暁の姿を唖然として見上げた。外出から戻ったばかりの、まだ上着も脱がぬ暁は、普段と表情も変えずに康を見つめて言った。
「言いつけ通りにメスイキの練習をしてるんだろう? そんな顔をせずにイクといい」
その言葉に康は震える。機械は変わらずピストンの動きで康の菊門を責め続けていた。
「あ、あきっ……あぁっやあん……!」
うまく暁の名を呼ぶこともできずに、康は濡れた声を上げる。裸で機械に犯されて悦ぶ姿を見られてしまったという羞恥が、快感に拍車をかけた。
「やっイク……! ああぁっ……やぁ……ああぁー!」
悲鳴を上げて康は腰を痙攣させた。内側がきつくディルドを締め付けたが、それでもそれは突くのをやめてはくれなかった。泣くような声を漏らしながら必死に耐えていると、暁が歩み寄ってきて、マシンのスイッチを切ってくれた。
菊門からディルドが抜かれると、康はくたくたと床に身を横たえた。心臓が大きく鳴っていて、己のペニスがびくびくと揺れているのが見ずともわかった。
「上手にメスイキできたじゃないか」
そう言って暁は、指の長い手で荒い息をつく康の頭を撫でてくれた。
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