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case 康 6
暁の硬く反り勃ったものを菊門に当てられただけで、康は興奮のあまり射精してしまうのではないかと感じた。
暁の手に身体を愛撫され、口づけられ、脚を割り開かれて、ベッドに背中を預けているにもかかわらず、康は目眩を覚える。暁のペニスでこの身を貫いてもらえるのだと思うと期待で焦げそうな思いがしたし、貫かれ揺さぶられる快感の中で射精してしまえば、泣いても許してもらえないお仕置きが待っているのだと思うと、いっそうくらくらとした。
暁は康の身体がペニスを欲しがって熱を帯びているのに気付きながら、その先端で菊門を舐めているようだった。
「……そんなに犯されたいのか?」
問いかけられて、康は切なさに眉を寄せる。やはりわかっていて焦らしているのだと思うと、子どものように泣いてしまいたかった。
「……早く……ください。暁さん……」
意地が悪いとなじることもできずに、康は弱い声で乞うた。身体が暁を欲しがって、どうにかなってしまいそうだった。
暁は薄く笑って、康の菊門にずぷりとペニスを挿し、そのまま体重をかけるようにして奥まで挿入してしまった。
「あっあぁっ……あぁーっ……!」
ずっと求めていたものを与えられて、康は身を震わせながら声を上げた。もはや自分の身体は暁のペニスを受け入れるためにあるのではないかと思うほど、中でそれはぴったりと収まって、康のすべての神経はそれを感じようと鋭敏になっているように思われた。
「ああっ……暁さん……っ! すき……嬉しいです……っ」
貫かれた悦びに喘ぎながら、康は暁の身体に手を伸ばした。暁は背中につかまらせてくれながら、腰を遣い始める。中を責められる感覚に康は泣くような声を漏らした。
「あっあんっ……あぁ……あっ、ひぃん……!」
暁のペニスは菊門の入り口から奥まで容赦なく康を蹂躙した。息が乱れ、浮いた足が震え、心の中までかき回されるような思いで、康は見悶える。康はもう暁の手の中で翻弄されるだけの存在だった。
「ああっ……いやっきもちいい……!」
高く涙の混じった声で、康は訴える。硬く太いもので突かれ、擦られる快感はあまりにも強くて、思考も理性もぐずぐずに溶けていくようだった。
「やだ……あきらさぁん……!」
耐えかねて暁にすがっても、暁は容赦なく康の身体を揺さぶった。暁の肌も熱くて、汗で濡れていて、このまま一緒に死んでしまうのではないかという気がして、康は泣いた。
激しく腰を打ち付けられて、抗うことなど何ひとつできないまま、康の快感は高みに押し上げられた。
「ああぁああっ……! っあ……!」
腰がびくびくと跳ねて、息が詰まって声が出せなくなる。暁のペニスをきつく締め付けながら、その硬さになお身体は悦んで、自分ではどうすることもできなかった。
気が付くと暁の腕に頭を抱かれて、腰を強く押し付けられて、ほとんど身じろぎもできないまま、康は荒い息をついていた。
「……康」
低い声に呼ばれて、康は瞬く。焦点が結ばれると、暁がいつになく熱っぽい瞳で康を見下ろしていた。
「こんなにびしょびしょに濡らしてメスイキしたのは初めてだな」
言われて初めて、康は自分の腹がひどく濡れている感触に気付く。首をもたげてみると、己のペニスが吐き出したらしい透明な体液でそこはびっしょりと濡れていた。
「なんだ、気付かなかったのか?」
康はまだ落ち着かぬ呼吸を繰り返しながら呆然と首を振る。ただ激しい快感に身体が言うことをきかなくなったことしか覚えていなかった。
「……いい子だ。こうやってイケばいいんだ……」
そう言って暁は康の頬を撫ぜ、柔らかく唇を重ねてくれた。それがまるでご褒美を与えられているようで、康の心は喜びに震える。
「あ、暁さん……」
「ん?」
「俺……暁さんのためにもっとメスになりたい…………俺のお尻、暁さんだけの穴にして……」
たまらなくなってそう言うと、暁は目を細めて、康の頭を撫でた。
「……本当にいやらしいな、お前は……」
その声には愛しさが滲んでいるように聞こえて、康もまた目を細める。暁が愛してくれるなら、どれほど淫らな身体にされてもいいと思った。
「あっ……暁さっ…………!」
不意にまた暁が腰を遣い始めて、康はまた涙声で喘ぐことしかできなくなった。ギシギシと鳴るベッドと、結合部の立てる水音が耳を通じて頭まで犯すようだと思う。
高い声で鳴きながら、その晩康は暁のペニスでひたすらに突かれ、愛され続けた。
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