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第3話 新しい家族

出発して数十分が経った頃、大きな屋敷の 中に車が入って行く。 「ここがの家だよ。さぁおいで」 この屋敷に入ってしまったら二度と 出られないと思った。自然と手に力が入る。 「奏多、大丈夫だよ。父さんが守るから」 「うん・・」 奏多と雅文が屋敷に入る瞬間を美澄は 不敵な笑みで見ていた。 まるで、獲物を捕らえた強者のようだった。 「まず、私の息子達を紹介しよう」 大きな扉を開けると、3人の男子が 立っていた。 「君が奏多くんだよね。 僕は小学5年の藍だよ、よろしく」 「名前は優、中学2年だ」 「正幸だ、高校に通ってる。1年だ」 「ぼ、僕の名前は奏多です。小学3年生です。 よろしくお願いします」 お互いの自己紹介が終わった後、奏多は 3人に連れられある部屋に連れて来られた。 「奏多、おいで。ここがの部屋だよ」 「えっ、僕の部屋?」 どうしてここが自分の部屋になるのか 分からなかった。自分の家はここでは ないからだ。 「雅文さんから聞いてないのかな? 君達はここで住むんだよ。 奏多は僕達の義弟になるんだ」 「義弟?3人は義兄さんになるの」 「あぁ、そうだよ義兄さんだ。 俺達奏多が来るの楽しみに待ってたよ」 3人は奏多を優しく抱き締める。 兄弟がいない奏多にとって兄ができた ことは、とても嬉しい事だった。 しかし、3人の感情は奏多とは違う ものだった。

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