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第4話 美澄の本性

「やっと、やっと雅文が俺の所に 来てくれた。嬉しいよ」 「どうして・・お前結婚したんじゃないのか」 「したよ、雅文と別れた後。でもあの女 他の男と不倫したんだよ。だから離婚 した」 少しずつ雅文の所へ近寄って来る。 逃げるように後ろへ下がるが、慢性的な めまいが起こり身体に力が入らない。 倒れそうになる雅文を美澄は支えた。 「めまいがしたんだね、大丈夫だよ雅文。 俺が側にいるから。さぁ一緒に部屋に 行こう。これから、ずっと一緒だよ」 否定したくても、めまいが酷くて 何もしゃべる事が出来ない。 美澄は軽々と雅文を抱き、部屋に向かった。 「気分は良くなった?」 「あぁ、もう大丈夫だ」 めまいも良くなったので部屋から 出ていこうとすると、美澄は雅文の 肩を押さえ、押し倒すような格好に なっていた。 「何、するんだ。離せ・・美澄」 「雅文はもう 俺のものだろ。お前は 逃げられない。どこに居ても必ず 捕まえる。もしまた逃げたら、地下室に 閉じ込めて二度と逃げないように 鎖で繋いでやるからな。 覚えておけよ、雅文」 美澄は先程とはまるで別人だった。 雅文の顎を掴み、貪り尽くすように 口内を犯す。激しい口づけから逃れようと 首を動かそうとするが、左手で後頭部を 押さえられ、更に右手は腰を押さえている為 動かせない。 雅文に逃げる場所はどこにもなかった。

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