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「ヒッ──……ぁ゛んッ…ふ……ッ」  タツキの腰を片腕で押さえ込んで、絡みつく内壁を力任せに引きちぎりながらもう片腕を押し込んでいく。  するとグボッ、とちょうど丸ごと拳が入ったあたりで、背を仰け反らせて震え上がっていたタツキが一際大きく嘔吐いたかと思うと、だらんと脱力してしまった。 「あれ」 「ぁぐ、……ぁッ……は……」 「まだ手ぇ呑ませただけなんだけど」 「ぉ……ゔッ……ッ、…ッ」  どうも反応が鈍い。これじゃあとぎれとぎれの悲鳴を上げるだけの肉塊だ。  統制を失った筋肉だけがビクッ、ビクッと痙攣して非協力的にのたうつ。  不思議に思ってよく見ると、なんとタツキが気絶していた。  脆いなオイ。  これからって時によ。  試しにユサユサと腕で体を揺すってみるが、カクンカクンと糸の切れた首が揺れるだけで明確な反応がない。  突っ込んだ拳を括約筋に引っ掛けて手首を出し入れする遊びをしても無反応。  入り口は流石の柔軟性。  あ、でも力抜けてっからもうちょい押し込めるかも。括約筋イカれたらごめんにゃ。 「タツキちゃんー。起きてー」 「ん゛……ぃ……ひ…っ……っ……」 「はは、起きねー」  手首を少し曲げて結腸の入り口を爪先でクチュクチュと引っ掻いてみるが、タツキは濁点混じりの掠れた声で喘ぐだけで、ちっとも起きる気配がない。  ツマンネ。殺してほしいって言ったのに。あれ言ってね? まぁ細かいことはいーだろ。死ななかったんだからさ。  しかしなにして遊ぼうかね。  暇つぶしにタツキの放置された屹立をヌルヌルと手淫してやりながら、腕を螺旋状にねじって粘っこくかき混ぜる。  せっかく咥えさせた拳を引き抜いたりはしない。抜けない程度に挿れて、引く。  そうすると奥のほうだけが刺激される。  引く時に腹側を引っ掻いて挿れる時になでる。じゃあ次は左、右、上、全部。  考えごとをしながら手持ち無沙汰にゆっくりねちっこくじっくり、捲れたグロい尻穴を何度も手首が出入りする。 「ぁっ……ぁ……」 「んー」  ズプ、と押し込むたび肌に絡みついた肉襞が巻き込まれて、タツキは甘く喘いだ。  あーあ、手遅れだなー。  人気バンドのリーダーくんが無事フィストファックで感じる好きモノ野郎になりまして。やったの俺だけど。  じっくり慣らしてやったところでハジメテじゃ気絶するほど拷問レベルなプレイでも、やりようによってはこうなるらしい。  好奇心が満たされたのでまぁ普通に感じさせてやろうかと、指先でこそぐように結腸の入口をマッサージしつつそれに合わせて手を動かしてやった。 「ぁ……ぁ…あっ……は……っぁ……」  じゅぷ、ぐちゅ。やらしー音。  濡れるはずがない内臓が人工的な潤滑油で溢れるほど溺れている。  限界まで拡がって俺の腕を呑み込む引き締まった小ぶりの尻。  小刻みに抽挿するたび、逆三角形の背筋が艶めかしく波打つ。  バック用の高粘度ローションが泡立ってゴポ、と垂れていくと、タツキの白く靱やかな下肢がよりテラテラと艶めいた。 「ぁ゛…ぉっ……ぁ…っあ……ぁっ……っ……」 「お〜気絶したままケツ拡張されてガチ悦がりとかウケるんですけど。オモシロ」  ぐぽぐぽと遠慮なく小刻みに腕を動かしてやれば、意識のないタツキは愉快に喘いでくびれた腰をくねらせる。  前を扱いていた手のひらで陰毛からへそをなぞりあげてグッと腹筋を押す。  嘔吐きながら喘ぐタツキの腹を、腹の凹凸をなでて内側から外側から挟んだ。 「んふふ。手の形はわかんねーけど、つっぱってんの外からもわかんだ」  優しく腹を何往復かなでてみると、内部への入口がキツく収縮する。  歪に膨れた下腹部。  まぁ腹筋ガチってるからあんま形変わったりしてねぇんだけどね。  へそのくぼみをクリクリと弄ればタツキの腹は嘔吐しようとビクビク痙攣して、バスタブの底へ胃液を吐いた。  あらま。気持ち悪かったかしら。  なんとなく背中をさする。  口腔内に指を突っ込んで喉を抉ると、気が済むまで吐き出した。  吐きたい時は吐いたほうがいいだろ? この指、さっきまでタツキの扱いてたやつだけど。まぁいいよな、どうでも。 「ゴホッゴホッ……は……ぅ……ぉッ……」 「ほれほれ頑張れ。死にそびれたんだからちゃんと遊ぼーぜ」 「は…ぁ゛は……っ」  胃の痙攣が収まってからまた腕を動かして肉棒を扱いてやると、タツキは閉じない唇からボタボタとバスタブに唾液を垂らしてビクンビクンと弾んだ。  力なく投げ出されていた両腕が所在なさげに跳ねては、カリカリと時たまバスタブの壁をひっかく。 「あ゛ッ……あッ……」  お、見てこれ、ピタゴラスイッチ的な。  前立腺スイッチ。  腕ごとねじ込んでいるのをいいことに一度ズルゥ……ッと腕を引いてから、腸壁越しに掴むように前立腺を挟んでコリコリとねちっこく揉みこむ。 「ぁッ……ぁ…ああ……ッ」  するとタツキは一際大きく声を上げたかと思うと、ガチガチに張り詰める性器から濃い精液を吐き出した。  あっつ。汚ぇ。  弾力のある肉茎が断続的に吐き出す粘液が手の中にまとわりつく感触に、あーあとため息を吐く。  鈴口をこねくり回していた俺の指には、ドロリと絡みつく白濁液。  えー……どうすんのこれ。なぁ。 「はいタツキちゃん。自分の粗相は自分でキレイキレイしてねー」 「ンゥ……ム…ゥ……ンフ……」  開きっぱなしだったタツキの口に、その指をそのまま突っ込んでやった。  いやだって行き場所ねぇでしょ。  タツキに返そ。  ニュルニュルと舌や頬肉に擦りつけるようにして指の精液を拭う。  喉の奥に指を二本ほど突っ込んで掃除させると、タツキは深く嘔吐くたびにギュッギュッと俺の腕を締め上げた。  キッツ。動きにく。  ガバガバのくせにまだイケるんね。  まぁでももう起きそうにねぇなぁ。

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