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06※
「マジで、ん、あッ……指、それどうやってんの……? ヌルヌル滑って、突く場所固定できねえっての……」
「ふ……指はメインじゃない、はっ……私を追い込むより、ふっ……私の動きを真似しろと、言っている。ん……空いている片手の使い方も……」
「っ……く、……っ」
言いながら春木の中を解す手と逆の手が官能的な動きで春木の尻肉を掴み、腰を抱き寄せ、マッサージを始めた。
艶めかしく、抑揚をつける。
割れ目をなぞって尾てい骨から腰を指圧したかと思うと、手のひらを使ってやわく大臀筋をほぐす。
春木の反応の良いところがバレると、強めに愛撫された。
その動きが内部へ伝わり、二重の快感を下腹部へ送り込む。
「あ、っ…ふ、なるほど、な」
「はっ……そう。指を挿れたまま外側から揉み解されるとわりあいイイだろう。逃げ腰な下半身を、捕まえもられる……自分が抱かれている時は、んっ……動きの邪魔にならない程度に相手の性感帯を触るか、はっ……なるべくいやらしくオナニーでもしていろ……んっ……」
「ちゃんと教えろ、淫行社長っ……咲、はっ相手なら、どこ触るんだよ、お前」
「咲……? ん、咲……咲は、っ……ほぼ性感帯はないが……舌が、感じる、……ふ」
至近距離ではっ、はっ、と息をかけあい、熱っぽく感じ合う。
適当に大衆向けの煽り方を教えられたので、咲野向けのものを聞き出すことを忘れない。
教えられたことは見様見真似だが、なるべくすぐに実践する。
春木の空いた片手は理久の尻を揉み、時に陰嚢や内ももを弄んだ。
カーテンの閉まった昼過ぎの寝室で、密着しながら攻め立てる。
ここにいない恋人のベッドで恋人以外と膝立ちになって腰を抱き合い、お互いの中へ指を挿れ、感じ、教え、学ぶ、非日常的な空間。
──咲……咲と、こんなことしてねぇけど……できたら最高……あーでも、咲は中感じねぇのか。
「咲……ふ…っぅ……あ……」
「ぁ、っ……はっ……咲…んっ……」
で、都合よく妄想をオカズにしているのも、どうせお互い様だろう。
コイツに興奮しているなんて認めたくないし有り得ない。咲野の欠片を集めなければやってられない。
理久の体に咲野は散々触れているのだから、春木とて間接的に咲野に触れられている気分に浸れる。いや、触ることでその感覚を奪ってやりたいくらいだ。
あくどいことを考えると、それを察してか、中に埋められた三本の指がクンッ、としこりを抉って声が漏れた。
浮き上がった腰が揺れ、腹の間で腫れた屹立同士が擦れる。
理久が自分のモノを控えめに触れさせ、微弱な刺激を与えた。
(はっ……コイツ、欲しがってるくせに、焦れってぇな……)
当たっただけでは感じない。
もっと強く擦り合いたくて、無意識に肉棒同士を擦りつけた。
が、ハッと我に返る。
「ンッ……え、今、誘われたのか……はっ……」
「口で強請るだけが、ん、誘惑じゃない……口はこう、んっ……」
「死にてー……あ、っ」
自分から欲しがっておいてわざと焦らすことで、相手を動かす。
まんまとひっかかったことを嘆く間もなく、理久は春木の耳朶にニュル、と舌を絡め、耳腔を舌先で弄び始めた。
ゾクン、と背筋が粟立つ。
興奮が増し、理久の腹筋にヌメった肉棒を小刻みに擦りつけてしまった。
「あっ……はっ……」
「んふ、ぅ」
春木の動きに合わせて、理久も腰を揺らす。
粘度の高い淫液で滑る腹へ夢中になって押しつけながら、ヌチュッ、ヌチュッ、と体を上下にブレさせた。
溶けたチーズのようにトロトロと熱く絡みつく理久の中が、連動して春木の指をキュゥ……と包み込む。
春木の中も、それを真似てもっと感じたいと、理久の指をつたなく締めつけた。
「っふ……咲のやつ、っ……」
「ん、そう、咲がよくやる……ん、……咲……」
二人揃って興奮している理由は、耳を舐めることが、咲野が抱き合っている時によくやる暇つぶしだからだ。
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