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今のハルは、アヤヒサの中に根元まで屹立を埋めた状態で、足と腰を理久の体と一緒くたにボンテージテープでキツく固定されていた。
両腕は背中でひとまとめ。
身じろぐことはできても、体勢を変えたり抜くことはできない。
ちなみに、アヤヒサは俺の彼ピたちの中で一番ソコの使い心地がよかったりする。いつぞや掃き溜めのホテルに貸し出した時のレビュー参照。
で、その状態でハルはただの一度も挿れっぱなしのモノを擦れず、ただアヤヒサへのご褒美を見せられている。
もちろん、これは紛うことなき純然たるお仕置きである。
だって仕方ねーじゃん。
俺だって、ホントは愛するハルにお仕置きなんかしたくねーのよ?
でもハルは大事な大事なアヤヒサの皮膚を血が出るまで引き裂いた挙げ句噛みちぎろうとしたんだから、それ相応の報復をしてやらないと、アヤヒサがカワイソウじゃないか。
なんで、アヤヒサはゴホウビ。
ハルはオシオキ。
アヤヒサは確かにハルをイジメたけどケガはさせてねーからさ。
それすると俺がお仕置きするってわかってる。賢いオトナちゃん。
ただハルに全部説明してもらったし、アヤヒサがハルを煽って思い通りに動かして利用しようとしたのはバレたんで、オイタは別腹。
自分から言い出した授業を途中放棄してあてつけと八つ当たりに精を出したり、ハルに失礼でしょ。
ってなわけで、お説教。
それ以外は可愛がってるだけ。
ちゃーんとタツキ由来の愛玩行為だろ? 労って、甘やかしてる。
アヤヒサは寝起きとか夕方とか、一般論じゃご遠慮願いたいタイミングのカラダの味と香りを堪能すると酷く興奮する、モノズキだからさ。
下品なほうが感じるとか、上場企業の社長サマ兼CEOのプラチナ人間は変な遊びがお好きね。
「ン…ぐ、ぅ……ふっ……ふっ……」
その証拠に、傷ついた背中は喉を犯されながらも微かに動いていた。
パンパンに腫れた屹立の先端をシーツに擦りつけているのだろう。
喉奥がキュゥ……ッと締まっているのも、早く髪を掴んで物のように乱暴に食道で肉棒を扱いてほしいのだ。
そういう奉仕精神に溢れた変態。
アヤヒサは、超のつく欲しがり。
ちなみに拘束したのは、余計なことをしてハルをこれ以上煽ったり、虐めたりさせないためなので、ハルを守る俺なりの優しさでもある。
「んふ。俺は痛いってあんま感じねぇケド、アヤヒサは痛いよな……? それってダメなことじゃね? なぁハル。俺はハルの爪を剥いだり、歯を抜いたり、背中の皮膚をはがしたり、したくねぇのよ。だってそれ、痛いじゃん? ハルが痛がることはしたくねーもん」
だからアヤヒサには飴を。
ハルには、甘さ控えめな飴を。
鞭? あげねーよ。
俺はフツーの彼氏だから、かわいい恋人をシバいたりしない。
「わかんだろ? ハル」
「嫌、いやだ、咲、いや、ぁ」
「ダイジョウブだって。歯のないハルにも俺は舌をとろかすキスをするし、真っ赤な指先はじゅぷじゅぷってキャンディーみてぇに咥えて啜る。剥げた背中はよしよしって、怖いことなんかなんもない。……はは、カワイイ顔」
脅かすつもりなんて毛頭ないから、ちゃんと笑って言った。
ただ愛しい恋人を傷つけられたら〝報復してあげよう〟と思える、常識的な心を持っているだけだ。
でもハルだと加減しちゃうわ。
知らない他人が相手なら反射の勢いで全指へし折るかもしんないのに、ハルの指は真っ直ぐな方がいいからさ。
同じことをハルにされても俺は嫌じゃないし、やっぱ甘やかしちまう。
「っ……ごめん、ごめんって、咲……っお前に叱られっと、身体中が寂しくって疼きが止まんねぇよっ……っもうしねぇから、もう忠谷池のことっ……噛んだり抉ったり、しねぇからぁ……っ」
なのに、甘やかされたはずのハルはなぜか余計に眉を下げて、ミャンミャンと懇願した。
欲しがりだからかなぁ。
各々相応しい量の砂糖菓子を平等に与え始めてまだ一時間くらいしか経っていないのに、ハルは俺に叱られるのが耐えられないらしい。
生殺しの身体に触れてもらえず、いけ好かない男に性器を咥え込まれ、八つ当たりに突いてやることも叶わない。
汗ばんだ身体をもじ、と身じろがせ、ハルの視線は俺だけに縋る。
カワイイ目玉。いっつも瞳孔開き気味だけど、今日は若干濡れ気味。
「そう? ……けどアヤヒサ、血が出てたじゃんね。背中」
「んッ……もう出さない……あっ……咲、欲しい……ッ」
「う…ッふ……」
スッ、と口元へ手を伸ばす。
ギリギリ届かない距離だ。
ドサッと前のめりに倒れ込んだハルは、飢えて死にそうなサバンナの獣みたいに舌を伸ばして、指先に食らいつこうと身をよじった。
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