6 / 9
No.1AVネコ男優は犯したい
『No.1AVネコ男優は犯したい』
可愛いと言う言葉で形容されることが多かった。
それは幼い頃から、今こうして立派な成人になっても変わらない。
悪い意味で言われているわけではないし、有り難いとさえ思えるけれど男としては時々複雑な心境になる。それも二重の意味で…。
僕は本名――奥村 密 、芸名“ミツ”で活動するAV男優だ。ただし相手は女性ではなく、男性。しかも僕は抱かれる側。
ゲイである僕にとって男相手と言うのは喜ばしいが、この抱かれると言うことにはどうしても納得がいかない。
僕には欲がある。
クールなイケメンを喘がせたいと言う欲求が。
けれど僕に回ってくるのはいつも受けばかり。
一度社長にお願いしたけれど、顔面ニーズ的に無理だと蹴られた。
要するに可愛いと言う形容が僕の欲の邪魔をしているわけだ。
そんな僕に願ってもない最高の恋人が出来たのは最近の話。
「んっ…………いいね、上手……」
ベッドに腰掛けて開いた足の間から恋人――眞中 久 が僕を見上げた。
既に猛った僕のモノを銜えながら、その目は潤んでいる。
切れ長の目からは水滴が落ちてしまいそうで、僕は伸ばした手で形の良い頭を撫でた。
柔らかな黒髪が指の隙間をすり抜けると、彼は嬉しそうにする。
圧倒的人気を誇るAVタチ男優“キュウ”、僕の二つ年上の恋人だ。
同じ作品に出ることが多い僕らは、カメラの枠を外れると関係性は逆転する。
クールでイケメン、普段僕を犯すキュウは、僕に犯されたい可愛い可愛い久へと変わる。
「はぁ……気持ちいい。久のフェラ、僕好きだよ。ちゃんと気持ちいいとこ分かってるもんね」
口の端から唾液を溢れさせるほど一生懸命なところも堪らなく興奮する。
「ねえ、久…明日の台本見た?」
「……んっ…………ん、ん……」
モノから口を離さずに久は目で頷く。
「明日のテーマは受けから攻めへのフェラだね」
「んぅ……っ……」
「ふふ、明日はたくさん気持ち良くしてあげるから、久の舐めて欲しいところ実践で教えてくれる?出来るよね?」
【END】
ともだちにシェアしよう!