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第2話

「はぁ、あ。あ。はぁぁ・・・」 エロい喘ぎ声は相変わらず。 なのに何だか、集中している感じでは無いような? ふと視線を上げると、バッチリ目があった。 「ん・・・?」 瞬間、口腔に射精。 「ん・・・ッ!ん!」 思った以上の量に、ついむせて唇を離してしまったもんだから、布団の上に溢し散らかしてしまった。 「ごほ、けほッ!悪ィ・・・けほッ!」 「うん。良いよ良いよ、大丈夫だから。てか、むっちゃんこそ大丈夫?」 背中を落ち着くまで摩ってくれる。 のに、すんげーデレ顔。 なんか、半分嬉しいんだけど・・・ 半分、ムカつく。 「も・・・平気」 「ごめんねぇ?多くて。 溜まってたもんで」 謝ってんのに、ニヤニヤが止まってない。 「何?いつまでニヤ付いてんの?気持ち悪ぃ・・・」 バカにしてる、って感じじゃないんだけど、何だかスッキリしない。 「あぁ~~~~~~ ゴメン!! 自分をコントロール出来てません!! もうねぇ、むっちゃんが俺のしゃぶってる顔とか激エロでぇ、俺の咥えてる~とか、しゃぶってる~とか、(しご)いてる~とか。 俺の飲んでる~~とかとか!!」 「だぁぁぁぁぁあ!!!!!! 声に出して言うなぁぁぁぁぁ!!!!!」 思わず玲央の口を両手で塞ぐ。 コイツ!!やっぱ変態だった!! 俺の事ガン見してやがった!! シてる所なんか眺めてんなよ!! は、恥ずかしいィィィィ!!!! 顔から火が出るって言う言葉があるけど、まさしくソレ。今のこの状況! 恥ずかしくて恥ずかしくて、今度こそ涙が浮かんで来る。 力が抜けたのと、玲央が抱きしめて来るのは同時だった。 「ゴメン!本当、ごめんなさい・・・・ 幸せすぎて暴走しました・・・ 睦さんの全部を見てたくて。 見逃したくなくて」 痛いほど抱きしめてくるから、恥ずかしかった事も忘れてしまう。 「こんなになるほど、誰かを好きになった事無くて、自分がこんな風になるなんて知らなかったんだよ。 こめんなさい。許して・・・ やっと睦さんに気持ち伝えたのに。 これでオシマイなんて、ヤだよぅ」 子供みたいにしがみついて来る玲央に、嘘は感じられなかった。 と言うか、玲央が、こんな激情を抱いていた事に驚いたし、自分がビックリするくらい想われている事にも、ようやく気付かされた。 俺の認識が甘かったのも、悪かったんだなぁ・・・ そう思うと、自然に玲央の背中に腕を回していた。 「許すよ。良いよ、大丈夫。 ただ、自分の恥ずかしい姿を見られる事に慣れてないから、ビックリ・・・したんだと思う。 そんなに想っててくれて、ありがとう。 俺も、玲央との事をこれきりで終わり、なんて考えてないよ。 そういう意味では、おんなじ、でしょ」 「む・・・むっちゃぁぁぁん」 ぎゅうぅ、と抱き締める腕に力を込めるもんだから、さっきの余韻で、擦れ合う肌の感触に過剰に反応してしまう。 「ッふ」 その声を聞き漏らすハズもない玲央が、抱き締めていた腕をずらし、腰周りを撫で始める。 「じゃぁ仲直りにぃ、続き、しよ?」 にっこり、と綺麗な笑顔を作ってから、徐々にデレッと鼻の下を伸ばして行く。 折角の美形が、台無し。 でもそれも、俺のせい、なんだよなぁ・・・ 今日何度目かの優越感に浸りながら、自分の羞恥心と戦う決意を固めると 「・・・だな」 言いながら、デレた顔に唇を押し当てた。 「俺ね、人よりちょっとおっきいみたいなのね」 「あぁ、うん。だね」 唐突に何を言うのかと思いつつ、頷く。 「だからね、痛くないならように、いっぱいしゃぶって?」 そうか、沢山濡らしといた方が良いもんな。アレを入れるとなると。 実際に自分で確認したんだ、すんなり納得して、再びソコへ向かうと、視界の外から声が聞こえた。 「俺は、コッチを(ほぐ)してあげるね」 すでに玲央のを咥えていたせいで返事も出来ずにいると、双丘の間を指がなぞる。 「んッ!」 過剰に反応して、玲央のに軽く歯を立ててしまう。 「ふゎぁ!っと、刺激・・・強すぎだよぅ」 痛くはなかったようで、ホッとしたのも束の間。 「んじゃ、お返しぃ」 言い終わらないうちに、指を根元まで挿入される。 「ん。ふ」 思ったよりすんなり入ったのは、イった後の処理をしてなかったせいだろう。 太ももを伝う感覚で、それは安易に想像出来た。 そこからゆっくりと引き抜いては挿入を繰り返し、指の本数も増やされて、徐々に大きくなる水音が、鼓膜までもを性感帯へと変えて行く。 内壁を擦る快感に、自分の腰がうねるのを自覚して、また恥ずかしくなる頃。 「ん。むっちゃ・・・。はッ。 欲し、ぃの?」 それをまた、煽るようにエロい言葉で玲央が囁く。 自分だってパンパンにしてるくせに。 悔し紛れに扱くスピードを速めてやる。 「ふわ。むッッッ!ん!ダ、メ、やめッ」 まるでイク事に抵抗するみたいに、肩を掴んで引き剥がされた。 「何、すんだよぅ」 ちょっと息を切らしながら、でも、ちょっとムクレてやると 「マジ・・・保たなくなっちゃう、から」 「何だよ、若いくせに」 「やーなのー。イクならむっちゃんのナカがイぶ」 またコイツは・・・ エロ発言を中断させるために、今度も両手で口を塞いでやる。 「本当もぅ・・・自分に正直すぎだろ」 そっと、腕を掴まれて剥がされて 「そこが、良いんでしょ?」 ニッと笑う玲央に釘付け。 ダメだ。俺もうコイツには勝てないや。 『惚れた弱み』って、これの事ですか? 「もぅ・・・、好きにして」 思わず漏れた言葉に 「ひゃッ」 って変な声音を零す玲央を見て、自分が漏らした言葉の意味の重大さに気付く。 「や。そういう意味じゃ」 言い訳しようとして、『そういう意味も含まれてるなー』って自覚して、言葉を失った。 てか、もう玲央には何も聞こえなくなっていた、ってのが正しいかも。 目がね、もう、ハートだよ。 「良いよ」 耳元で囁いて、どっか逝っちゃってた玲央を引き戻す。 「玲央?」 名前を呼んで、手を引いて。 仰向けに寝転んで。 自分から足を開いて。 「くんないの? 玲央が、欲しい、って言ってんだよ?」 こんな事、誰にもした事無い。 玲央が、ハジメテの人、だよ。 それを、知らない玲央が、 崩れるように覆いかぶさって来た。 「どうしよう・・・ 幸せすぎて死にそう・・・」 相変わらずのアホ発言に、思わす吹き出す。 「良いじゃん?腹上死。 男なら本望でしょ」 「嫌だ。むっちゃんに会えなくなったら地獄。生きて、何回も、何十回も、何百回も、天国を見るんだッ」 天国て って突っ込もうと思ったら、突っ込まれた。違う意味で。 「はッ!ぅんんん!」 やっぱデカイ。 凄い圧迫感に、呼吸がうまく出来ない。 「むっちゃん、大丈夫?」 こういう経験を、何回もしてるんだろうか?玲央は動かず、俺の呼吸を待っててくれる。 「は。は。は。ぅ、ん」 しばらくは過呼吸みたいな呼吸をしてたけど、玲央に抱き締められると落ち着いた。 すげぇ安堵感。 それにお互い気付いたのか、玲央は俺を抱きしめたまま。 俺は玲央にしがみついたまま。 ゆっくり中を掻き回す玲央の動きに、意識を持ってかれるようになってからは、苦しさよりも快感を引き寄せる事に成功した。 ちょっと苦しかったセックスは、むしろ“溺れてる“みたいで、自分の状況を体現してるみたいでちょっと笑えた。 ----------------------- 「ん、イ・・・ク!」 「あッン!お、れもッ!」 数える事も辞めた、何度目かのセックスを終える頃には、布団を汚す事を考慮して、場所も浴室に移動していた。 「はぁ、はぁ、はぁ」 息も絶え絶え、寄る年波には勝てない、ね。 もうしばらく、セックスは良いや。 なんて思ってたのは、多分俺だけ。 「今、何時?」 そういえば飯を食うのすら忘れて、セックス三昧だった。 「ちょっ、と、待って」 まだ繋がったままのソコから、ゆっくりと引き抜いて行くだけで、敏感になりすぎた身体が過剰に反応して、軽く痙攣を起こす。 溢れそうだった吐息は、これ以上セックスするには保たない自分の身体を守るため、拳を握って必死に我慢した。 あれだけ何度も激しいセックスをした後だってのに、平然と立ち上がり、浴室のドアを開けて、玲央がリビングの時計を確認する。 「PM1:16、だってッ」 語尾が笑ってる。そりゃそうだ。 今日何時に起きた?って話。 まぁ、幸せだから許せる・・・ ・・・のか? 「じゃぁそろそろ、ランチと~、 夕飯の買い出し行く?」 まだ雨は降ってるみたいだけど、こういう日だからこそ外出する人も少なくて、逆に出掛けやすいかも。 賛成の意思を伝える代わりに 「玲央・・・休憩無しで行けんの? やっぱ若いね~~~」 とか言ってみる。 俺なんかまだ床にヘタリ込んだままだってのに。若いって羨ましい。って言葉は我慢して。 「シャワー浴びたら、一緒に行こうよ。 お買い物デートしたい♪」 照れ。って顔。コレに俺は弱い。 なんでも望み通りにしてやりたくなるってのは、玲央の思惑通りなのか? 分かってやってたとしたら、玲央・・・ 小悪魔だな。 そう思ってる睦に対しても、玲央が全く同じ事を思っていたのは、言うまでもない。 END?

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