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第6話
その年はただひとり、巫女だけが病を得た。
何故なら裂かれた瞳が熱を出した為に彼女は三日三晩苦しんだ。
その後は先読みのチカラを失い、巫女は只の人間へと成り下がった。
しかし盲でも、元は巫女。
当代の巫女は村のひとりの男に娶られひとりの子を成した。
不幸な事にその子にも、先読みのチカラが引き継がれてしまった。
村人はある時、ほんの戯れのつもりでその子に尋ねた。
今年の村はどうなりそうか、と。
その子は母に似た黄金色の瞳で応えたそうだ。
ーーみんな しんじゃう。
村人が取る手段は決まっていた。
今この場でこの子の瞳を潰す。
その役目を担うと申し出たひとがいた。
その子の母だった。
子の罪は母が贖う、その事に村人は誰もが納得した。
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