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第2話 · 圭一からのメール & 直也の遍歴
高 揚 と 覚 醒
1998年3月下旬
出会いから10日位後の朝、
直也の自宅 ………… 。
圭一からメールが届いた ……
" 部屋は、札幌に、もう借りてあったんだけど、
実家の部屋の整理や、新生活に必要な物の購入のため、
故郷に帰ってました……。
今週の土曜の夕方から時間が空きます〜。直也さんはどうですか 〜 ? "
直也は 思わず 「 やった ~ 」と叫んでいた……
何故なら、出会いの日から10日近くたっても
連絡がなかったので………
" アレッ 〜!どうしちゃったのかなぁ〜?? ふられた かなぁ〜 ? ”
直也は、心の奥では、気に病んでいたのだ……
もちろん圭一へのメールは、
" OK ~ 大丈夫だよ 〜
日曜と月曜、連休取ってるからさ 〜
…… 何か、食べたいものある ?
行きたいとこは 〜?
ただ、土曜の夕方は無理なんだ ~ 仕事あるからさ 〜 "
すぐに圭一から返信が届いた……
" うん、わかった 〜 。じゃ、
土曜日、直也さんの仕事帰りに、どこかで待ってる 〜。
どこにするか決めて 〜 捜して行くから 〜 "
直也は少し考えてから……
" 仕事 1 時までだから、待ち合わせ 1 時時半にする 〜?
場所はさァ〜、ススキノの中に、
≪ エイト ライスフィールド カフェ ≫って言う
レストランバーがあるからさァ、そこにしよう
朝までやってるし 〜 、住所は南5西4、アルトビルの一階、
大きな店だから、分かりやすいと思うよ 〜 " ……と。
圭一からの返事が入り…‥
" はぁ〜い、1 時ちょっとには着いてるようにするから 〜 "
直也は、にやけながら
" OK 〜 、じゃ土曜日、1 時半に… "
ウキウキ 顔で メールを終了し、夜、出勤したらマスターに、
月曜に休みをもらうこと、すぐに言わなくちゃ …‥と
直也は 頭に記憶した。…‥…毎週日曜は公休をもらっているが、
連休をとっているわけではないのだ……
……………………
…………直也は、
" 恋するってこんなかんじなのかなぁ 〜 "
こんな気持ちになったのは、久し振りで、
忘れかけてたものが、甦ってきたような、そんな気分だった………。
…………………………………
………………
………子供の頃の記憶を思い返すと………
過去に直也は、
普通以上に仲良くなった人がいない訳ではない……
………
……小学校六年生の時は、家が
近所の、隣のクラスの子に、
一緒に通学中、振り向きざまに、
急に頬に、キスされた……。
" こいつ、突然なにするんだよ! " と思いつつも、
気持ちがホワーッとして
恍惚の気分をあじわった ……
でも、この子とはそれだけだった ………… 。
きっと、それほど好きなタイプの子ではなかったのだろう……… 。
…………
中学に入ってからは、
直也の家は、五人程のクラスメートの男子のたまり場となった。
その理由は、家には誰もいなかったからだ……。
中学一年の頃は、新聞社勤務だった父親の仕事の関係で、
直也は、父親と二人、函館に住んでいた………
函館山の裾あたり、
絵ハガキにもなっている、 二つの教会があるその美しい地域 (元町) の、
、コテージっぽい家に、暮らしていた………。
……父親は、仕事柄、帰りは遅く、外泊もたまにあり………。
それこそ、一人っ子の鍵っ子を直也は、地でいっていた…。
……母親は、札幌のススキノで、前夫が残した酒類販売店を営んでいたため、
函館には、1ヶ月の内、 1 週間もいなかった……。
……直也の孤独な生活は、一人でも困らないように考えられて折り……
……病院、レストラン、雑貨店、食料品店、文房具店など、
直也のサインだけで済むように手配されている……
後日 、両親のどちらかが、支払いをしていたのだろう………
……‥また、函館の家は、
直也の淋しさを慰める為なのか…‥
お菓子、ジュース類、おもちゃ、漫画や本などがふんだんにあり、
クラスメートは放課後、よく、この家に集まっていた………
そんな中、………ある日………
映画撮影の、擬似体験をしてみよう
という事になり……
監督、カメラマン、照明係、主役の男女﹙共に男子が演技﹚
にわかれ撮影開始………。
恋愛映画の設定ということで
だんだんエスカレートして行き、しまいには、
ベッドシーンも撮ることに……
キスはもちろん、それもディープキス……を。
みんな、興奮し、勃起もしていたと思う……。
そのグループには、直也の特別お気に入りの子がいた。
ハンサムで、 体つきも中学生には思えないほど、セクシーな感じで……
一人の時は、その子のことを思い浮かべて、よくオナニーをした。
……「 あぁ~ッ、『 博之 』~ !! 」
直也は、切ない声を発しながら、夢中で、手を動かしていた………
…………………
……父親が新聞社の宿直で、夜いない時は、
三人位はいつも泊まりにきていた……
2台のベッドに別れて、キスをしたり触りあったり ……
お互いの手で相手をいかせる事も、たまには……
それぞれのベッドから、ひそひそ話や、吐息、
そして「あッ !」「うッ!」などの呻き声も……‥
………そんな生活を続けるなか、2年の終わり頃、
突然、直也の引っ越しが決まった……。
札幌の……母親の元へと……。
……父親の、本州への転勤が、決まったためだった ……………。
……………
…………冬の深い、札幌の街、
その 札幌の中島公園近くの、とある中学で、直也は、
クラスの男子との接近が、 噂の的になっていた……。
………2年の三学期から入った、その新しいクラス ………
3年になる前の 春休み、クラスで仲良くしている、
女子生徒の誕生日会があり、
男子は、直也と、
もう一人、『 孝 』﹙タカシ﹚
という子が、よばれていた……
………孝 は、178㎝、色浅黒くスポーツマン、
野球部で、女子からも、まぁまぁの人気がある………。
……だから、直也は誕生日会が終わって、
女の子の家に、孝 と二人だけ残って、
小さめのソファーに並んで座った時も、何も意識しなかった………。
……クラスメートの女の子は、
フォトアルバムを何冊か自分の部屋から持ってきて、
「 見ててね〜、飲み物持って来るから 〜 」と言い、
キッチンのある階下へと降りていった………。
……アルバムは、外国の俳優やアーティストを集めたもので……。
………この誕生日会の女の子が中心となって、最近作ったグループでの、
フォト資料を貼るためのファイル本だった………。
………
……その、大きなアルバムの左半分は直也、
右半分は 孝 が持ち、流れ作業の様に、二人協力しながら、
アルバムのページをめくってゆく………。
必然的に直也の右足は 、孝 の左足に接触し……
置き場のない直也の右手は、アルバムの下のソファーの上に置かれ……
同じく置き場のない 、孝 の左手と ……いつしか触れ合っていた。
………だんだん汗ばみ、興奮してきて 〜
膝、太もも、 手、腕など、少しずつ強く、
押し付け合いながら……
……直也は、自分の分身が硬くなり、興奮してきているのを、
感じていた…………。
………
孝 とは、この時から急激に接近していき、
卒業までの 1 年間、イチャイチャしながら過ごした………。
クラスメートには、
「 お前たち、できてるのか ?! 」
「 あなたたち、ホモでしょう!!」とか、
頻繁に言われ続けたが、気にする風でもなく軽く流してた………。
…実際、二人の行為は、
軽~いキスと、触り合い…
この2つぐらいだった………。
ただ、中学生の直也にとっては、これでも刺激が強く……
直也はいつも勃起し、
直也自身から溢れ出る男の汁で、
下着を、いつも濡らしてしまったので、
ある時から毎日、スポーツ用のサポーターパンツを
履いて学校に行っていた……
1枚は履き、1枚は予備に持って行き、
いつでも履き替えれるように用意していた………
孝 は、直也にいつも挑発的だった………
………… ふざけて、窓辺のスチームに、
直也の尻をつけようと、いたずらをしてくるので、
直也はスチームに接触しないように……
…体を斜めに倒して、尻を、浮かすのだが………
その、 つき出した直也の股間あたりに、孝は自分の股間を
ぐいぐい押しつけてくる ………。
周りに、目を配りながらも、段々、直也も興奮してきて、
「 ウッ ! ぁッ、」とかすかな、呻き声を出して、
半分目を閉じ、孝 と体を密着させていった……
直也は、自分の男が、ものすごく勃起していて、
サポーターの中をべとべとに濡らしているのを、感じた。
…… 直に 、 孝 に手で触られたらすぐにいきそうだった……
スチームへの、身体の、ふっつけごっこをしながら
イチャイチャするのが、いつもの恒例行事になっていた ……
……… 二人のそんな、行動に、
クラスメートの多くは、見て見ぬふりをしてたが……
たまに、その気がありそうな奴が、近づいてきて、
「 お前ら、勃ってるだろう 〜 ?! 」と、言いながら……
二人の股間を、触ろうとして来たので、
直也は、腰をひねってその手をかわし、奴に言ってのけた……
「 触るな !! 、違うから ~ ! 」……と…。
……そんな時、大体は、孝 が直也の手を引っ張りながら、
廊下を、ダッシュして走り抜け、体育館の裏手に行く……。
……走って乱れた呼吸を整えながら、
孝 は、ニヤニヤしながら、直也の腰に手を回してきて、
「 俺はいいよね 〜、触っても?! 」と、聞いてくる。
直也も、照れながら「 まぁ、いいっか ! 」と、
孝 の手を自由にさせたまま、眼を閉じていく……。
………そんな、日々を過ごしながら、 二人が、もっと親密な、
エロチックな関係へと 進んで行った出来事があった………。
………………
……………… それは…‥
……その頃、直也は、三人の仲良しグループを作ったばかりで……
…‥内訳は、 直也と 孝 、それと『トンボ君 』というニックネームの少年。
トンボ君は、 恋愛とかに、まったく興味がない、子供っぽい人で、
趣味の竹ひご細工で作った、トンボをいつも持っていたので、
この名前になった …‥‥ 。
………………
……三人組は月に2回位、映画館に行くようになり、
話題になったものなら、洋画、邦画の区別なく観に行った。
しかし、館内は 混んでることが多く、壁に、寄りかかるほうが多かった………
………放課後、制服のまま、電車か地下鉄を使って、中心部の繁華街へと……
……… だが、この中に…
映画を純粋に楽しむ目的の他に、卑猥な目的を持った者が、一人……
……… 孝 だった……。
そして、結果的にはもう一人、直也も、それに含まれる事に ……。
……………
この日は、3年生になって、初めての中間試験直後の土曜日、
映画鑑賞会の約束をした当日が、やって来て、三人とも、朝からご機嫌だ……。
…………
午後1時半程には、映画館の中に入っていた…‥…。
暗い館内の、右側の壁に、
……前からトンボ、タカシ、直也の順番に縦列を作った……。
………しばらくすると………‥。
孝 が、少しずつ後ろへ下がってきている……
直也の方に、孝 の背中が近づいてきたので、
" 前の方、狭いのかなぁ ? " と思い、
よしかかってない左腕の方を、後ろへ下げて
……背中のほぼ 半分ぐらいが、
右壁に、つくかんじにした………。
直也の後ろは、コーナーになっている、コンクリートの四角い柱があり、
丁度、死角になっていて、後ろからは見ることは出来ない……
……………映画画面は、顔を少し右の方へひねって観る……
……… 孝 のほうは、まだ、後ろへ下がってきている………
最初に………
孝 の学生服の右腕が、
直也の右胸あたりにこすれる………
……そこで、孝 はさらに後ずさり、
直也の身体の股間部分と、己の右側面が密着するように、
身体を、押し付けてくる……。
それから、孝は、背を向ける体勢になり、お尻を直也の方へ向け、
直也の股関に、己の臀部を擦りつけ、ローリングしてくる……‥。
その頃には、直也の男は、ギンギンに勃起し、パンツのなかは
濡れまくっている………。
直也は、最初、孝 に勃っているのをさとられまいと、
なるべく股関が接触しないように、腰を後ろに引いて、頑張ったが、
孝の執拗でエロッチックな攻撃に、降参してしまう………。
もう、感じまくっている直也は、力が抜けてしまい、
孝の臀部に直也の勃起した男の分身を、接触させる
……
孝はニャっとしながら、更に、力の強弱をつけて、
直也の股関を刺激する ………。
………
すると、 直也の口から、「 うッ !! 」と、
かすかにうめき声が漏れる……。
…直也は、目をとじ恍惚の表情をうかべ ……
そして孝 の動きに合わせて、硬くなった
自分の分身を、孝の臀部に……
ゆっくり、……… 押しつけては引いたりを…くりかえす……
……微かに、うめきながら………
孝も、半分口を開き、エロチックな表情を直也に向ける……
………それから、孝 は、右手を後ろ手にしなから、
勃起した直也のものを
ズボンの上からしごきはじめた!!
………サポーターのなかのモノは、
もうこれ以上はないぐらい興奮し、ぬめり、ぬるぬしていた !!
……直也は心の中で、
" あぁ ~ いい ~ ッ ! きッ、気持ちいいよょ ~ !! "
と叫んでいた …………。
……その後………、
……直也と 孝 の関係は、卒業まで続いた……が……、
孝は、札幌で野球の強い、豊平区にある私立の男子校へ
直也は何を間違ったのか、旧ナンバースクールの、
進学校の公立校へと……
…… 二人は、それぞれの道へと、別れていった………。
……………
孝 との事は、" まぁ、子どもの遊びの延長なんだから、
それ以上、どうにもなりっこないし " と気にしなかったのだが……‥。
…………………
……………………
……でも、中学校の卒業式が終わり、高校に入学までの間、
直也は、………
『 人を愛するっ……て、どういうことなんだろう?!』
……SEXをしたいと思う気持って……??
好きな人だから ?、タイプだから?
タイプって、何 ? 見た目上のSEX対象者 ……
じゃ、SEXは愛情がなくてもできるよね………と…。
"……ただし、長く付き合うには、気持ちいいだけじゃなく、
お互いの価値観や考え方などが、合わないと駄目って事!!
これが答えなのかなぁ 〜?!
……
………直也は、何とはなしに、
愛と恋、恋愛と情欲、これらの違いって何だろうと、
考えずにはいられなかった ……… 。
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