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第10話 · 夫婦として

信 頼 2001年1月からの ススキノの日々…… 開業に向かって………… 圭一が ……… 札幌へ引っ越したのは、 直也に会いに来た日からは、 2ヶ月以上経った、 もう真冬になろうとしてた時期で、 それまでに、 直也は一緒に住む場所探しをしていて、 ようやく、 電停の西線6条の近くに決めたところだった。 南6条通りに面した、白いこのビルの10階に…… …… 分譲マンションを 賃貸で借りる方法で契約したが、 家賃が結構高いので、姉にも相談し、三人で住むことにした。 男の夫婦と、その姉という 一風変わった組み合わせの共同生活をする事に ……… 圭一は、仕事を決めてきて、 昼は、フルタイムでブティックに勤め、夜は、 金土の2日間だけ、高級クラブのウェイター、 そして、たまに、モデルの仕事も…… 直也は、圭一の出るファッションショーに 一度行ったが、観衆の前で、 ウォーキングをしている圭一の姿を見て、 とっても誇らしく、 皆んなの前で、“ 今、目の前を歩いてる、このハンサムなモデルは、 俺の恋人なんだよ ” と叫んでみたかった……… ………直也は、この時期、少し悩んでいた… バーテンダーの仕事は 好きなのだが、収入がそんなに良くわない。 将来、独立することを考え、 もっと給料の良い仕事はないかなと思っていた。 それに、5年近く在籍して、 基本も覚えたし、一区切りつけて、他のバーか、 料理のために、 どこかのキッチンかレストランに入ろうかなと考えていた…… そんな折、春頃、圭一を通して、 アルバイト先の、クラブのキッチンで募集があり、 店のマスターが直也に意向を聞いてきた。マスターに二人で 歩いているところを見られ、 店には、二人は従兄弟同士で、直也が飲食業についていると言ってあったためだろう…… 面接をし、 給料や仕事の内容で、折り合いがつき、店に入ることになった。 店の男性スタッフは、 マスター、マネージャー、チーフ( キッチン )、 レギュラーのウェイターの4人で、 それに週末だけの圭一と、直也だった。 …‥仕事が慣れてくると、 特に金 ·土曜の後片付けは、直也と圭一がやるようになり、 皆が帰ると、二人で、 ぺちゃくちゃ、しゃべったり、 つまみ食いをしたりして、気楽にやるようになっていた…‥ ただ、マスターに関しては、二人とも疑惑を持っていた……… マスターは、結婚していて…… 奥さんは、札幌にいる間、 ( 地元でもクラブを持っていた )、ママとして、 店に顔を出すなど、 普通の夫婦に見えるのだが、マスターは、 妙に、ゲイっぽいところがあり…… 圭一など、 ホールのデシャップの所で、背中やお尻のあたりを しょっちゅう撫ぜられていた。 直也は、マスターの性格は嫌いではなかったが、 その行為を目にすると、心のなかで怒り爆発していた。 家に帰り、その事を、 圭一に言うと、笑いながら、たしなめられ、 「 そんなこと、どうって事ないから ~ ! 」……と… ……… そんなある日……… 午前1時の閉店時間が来て、残ったお客さんは、 4組、その席についてなかった、メンバーの女性達が、 順番に帰って行く…… 直也は、キッチンの掃除をしながら…… …………デシャップの中からこっちを向き、 カウンターに手をついて、タバコをくゆらせている圭一に、 冷たいコーラを、差し出した…… ……「 疲れた ~ ? もうちょっとだね ~ ! 」 圭一が無言のまま 微笑み、ニッと笑い、 コーラを少し飲んでから、ホールへ帰っていった…… やっと2時近く、最後のお客さんが帰り、 皆の「 お疲れ様 ~ !」と 「お先に ~ ! 」の声が、行き交い、 マスターの 「 あと、頼むね ~ 」の言葉を 最後に店は、静かになった……… …… 二人で洗い物やら、 ホールの掃除やらを、どんどん片付けていき、 これで終わりというところで やっと……… 照明を落としてある店のボックス席に、 二人で腰をおろした…… ここの店内は、壁は、ほとんど鏡で、 イスはベルベットで出来てて、 豪華な、雰囲気を出している……… …… 直也は、 この照明のせいなのか、疲れたあとの開放感からか、 急に、圭一が、欲しくなってきた…… ……座ってタバコを吸っている圭一に、 唇を近づけると、 圭一もタバコをもみ消し、顔を直也に向け、目をとじてきた……… 圭一としばらく、舌をからませ合ったあと、 シャツのボタンを…… 上からはずしていき、直也は、その圭一の乳首を 舐めたり、軽く歯をたてたりしながら、 圭一が嗚咽を洩らす姿に 興奮を抑えられなくなっていった………… ………直也は圭一のパンツのベルトをゆるめ、 ジッパーをおろし……… ……ビキニからはみ出ている、 圭一の分身を舐めまわし、しごきはじめた……… それと同時に直也もシャツをはだけて、 自分の制服のパンツをさげ、 片足だけを抜き、 ビキニから自分のモノを取り出し、圭一の指に握らせ、 しごくように求めた……… 直也は抑えきれなくなっていき、 突然、手を離して下着をつけ、 エレベーター前のシャッターを降ろしてから、 走って厨房へ行き、 ショルダーバッグの中から、 ワセリンを手に、すぐに戻ってきた…… …… 直也はビキニを脱ぎ、 自分のモノをしごきながらひざまづき、 圭一のアナルに、 ワセリンを塗った指を入れつつ、圭一の分身を、 再び、しゃぶり始めた…… 直也の声掛けに、圭一が応えた……… 「 入れるよ ~ ! 」「 うん 、入れて ~ !」 直也は、圭一の両足を、 自分の腰にまわさせ ワセリンでぬるぬるしている自分のモノを、 圭一のお尻の穴の奥深くへと、ねじり込んでいった…‥ そして、静かに動かしていた腰を、 圭一の悶える声に合わせて、 激しく、さらに、激しく突きまくっていった ……… 。 ……………………… ………………… ……しかし、この冬のはじめには、 二人は、このクラブを辞めていた……… ……それは、店のマスターの セクハラが、 エスカレートしてきて 気持ち悪くなってきてたからだった……… ……相変わらず、 圭一の体にタッチし股間の方も触わってきたり…… …… 直也一人、勤務で圭一がいない時…… 閉店後、直也は…… マスターに飲みに誘われ、行ったのだが、 直也の知らないゲイバーだったり、 売り専だったりと、 ゲイの店ばかり連れて行き 、カウンターに並んで座ると、 直也の太ももに手を置いたり、 肩に手を廻したりと、 なにかいやらしい思惑がありそうで、 嫌気がさしてきていた……… ……そして、このようにされ始めると、 最初はなんでもなかった、 マスターのビジュアルが、小太りの、 ゴルフの為か、日焼けして ギラギラと脂ぎったスケベおやじ、という印象に変わってしまった。 こんな状態が続いていけば、 信頼関係を持つことは出来ないと思い、 二人は、前後して店を辞めた……… ………………… 圭 一は、ブティックの仕事が あり、生活はなんでもなかったが、直也の方は、 どうしようかと迷い考えていた…… ………冬のある日、圭一と喫茶店で、お茶している時に、 学生時代、お世話になった飲食店の社長に、ばったり出会い、 社長が直也に、 自分の会社に来て仕事しないかと誘ってきた…… 役職につけ、給料も考えてくれると…… ……… 直也は、後日、承諾の連絡を入れ、 正式に社員となり、パブのマネージャーとなって、 働くことになった… …… 酒についいては、心配ないし、 料理に関しては、ここでいろいろ習得できるだろうと考え、 将来を見通しての選択だった…… 圭一も、仕事の帰りに、 直也の店に寄るようになり……一人の時… 二人ぐらいの時… 団体の時と、 いろんな人数の組み合わせで飲みにきた……… ……やっぱり、圭一が来ると、 顔には出さないようにしてても、内心は嬉しくて、 ご機嫌になっていった…… ……… このころ、二人の休みは、 火よう日に、 一緒にとるようになっていて…… ……早あがりのシフトに組んである、月曜の直也の勤務が 終わる時間に合わせて、 圭一は、夜の11時ぐらいには、 パブのカウンターに来て、 スタッフや顔見知りになったお客さんとしゃべりながら、 酒を飲み、直也を待つようになっていた……… ……4ヶ月後、パブの店長が移動になって、 直也が店長に昇格し…… 圭一も、ブティックを一旦、退職して、直也の働くパブに入店した。 それは、3 年以内には、 二人で、パブを開業しようと計画し、 、圭一が、飲食店のノウハウを覚えたいと言ってきたためだった……… ………丁度折りよく、 スタッフの空きが出来たので、直也は、 自分の手許に置いたほうがいいだろうと思い、入店を勧めた……… ………やはりこれは、直也の親心で、 飲食業の中にも、足の引っ張りあいや、 いじめはあるので、 圭一にそんな目にあわせたくなかったのだ……… …………………… …………………… ……… 二人は、ほとんど喧嘩もせず、 つまらない行き違いは、あったが…… 問題にもならず、目標に向かって、歩みを進めていった…… ……… 毎日、同じ時間帯の活動になったので、 体や、気持ちのゆとりも出来…… ………午前4時に勤務を終えると、 近くで外食をするかして腹を満たし 我が家へと帰っていく日々を過ごしていた ……… ……マンションには、 朝方早くの帰宅なので、 二人で静か ~ に、姉を起こさないように、 ドアを開け、 姉が寝ている部屋を通り越し、 もう一つのドアを開け、リビングへ入った…… そこで、お互いタバコを、1~2本くゆらせたあと、 ………寝室に行き、奥に圭一が 入り、隣に直也が潜り込んでいく…… そんな毎日の繰り返しだった……… ………この、生活になってからは、 圭一と直也は、毎日、SEXをしていた…… このころ、二人のSEXは、 男女の夫婦と同じく、直也は、圭一に 命令を出し、圭一もそれに一度も、 逆らうことなく応えていた……… 「 圭 、俺の腰に 脚まわせ ~ !! 」…… 「 俺の ケツを手でおさえろ ~ !! 」……と…… 直也はいく寸前に……… 愛情のこもった、官能的な声で 「 圭 、愛してるよ ~ !! 」……と声を発し、 圭一も、喘ぎながら、 「 いいょ ~ !! 、あなた ~ 愛してる ~ !! 」 ……と切なくて、エロティックな声を出していた……… ……直也は、精液に、 まみれた体を横たえている圭一と、 柔らかいマシュマロのようなキスをし…… 二人の体からの、 その液体を、優しくぬぐってあげてから、 圭一を眠りにつかせていた……… ……………… …………… ………勤務先での、圭一は、酒を基本から 学び始め、スピリッツやリキュール、 醸造酒、蒸留酒、カクテルなど、またたくまに覚えていった………… ………そして、厨房に入り料理の事も…… 包丁の事や、 ソースやドレッシングのレシピなども覚えたり、 それぞれの素材の事も……… ……仕事での圭一は、、負けん気が強いせいか、 飲み込みがとっても早く、どんどん吸収していった…… ………直也の方は、 今働いている店の…… 売り上げや、収支がどうなっているか、 メニュー、お客さんの動向、スタッフの人間関係等、 考えつつ…… 開業する際の……いろんな事、 事業計画書の作成、資金繰り、店のコンセプト、メニュー構成、 ほかにもたくさんの事柄をまとめあげようとしていた…… ………………… ………30才になる頃には、 一国一城の主になるべく、直也は、 今の勤務先の社長に、 自分の計画を話し、協力をお願いし、 父親違いの長兄が、母から受け継ぎ、 経営している酒屋にも 挨拶に行き、 取引の取り決めをしたりと動き回った…………… ………資金は、圭一と貯めた貯金と、 ( 必要な資金の30%にも満たなかったが )、 母親に保証人を頼んでおいた銀行の融資で まかなうことになっており…… …… 一応、この段階では、 両親にも銀行にも兄にも承諾を得て、直也は、一安心だった…… …………………… ………………………… ………この店の店長になって1年半が過ぎ、 ……もう、そろそろ、 開業のいろんな骨組みが、 決まりつつあるこの頃、 勤務先に辞表を出した。 圭一は、もうすでに辞めでいて、故郷へ帰省している………… 直也は、開業は、個人経営ではなく………… 法人にすること、 株式と有限の選択は、有限を選んだ。 株式だと資本金が1000万必要で、有限だと300万で済む。他にも、 有限の方が、決まりがゆるくなっている………… ……… 数年後には、有限会社がなくなるとの事だが、 今の段階では、有限でいいと思い決定した。 法人の設立も、有限のほうが、簡単だと聞いていた……… ………とりあえず 法人にしたかったのは、税金で個人より、 法人のほうが、払う額で有利になること…… 銀行の当座預金口座が、持つことができ、小切手や手形を使えること だった……… ………直也は、ただ、実際は、 こ んなことより、 良い店をつくり、お客さんに提供すること…… これに尽きると思っている………… … この良い店とは、 なにも内装が立派だとか、金がかかっているとか…… …の問題ではなく、 店の付加価値をどのぐらい 加えることが出来るのかに、かかっていると思っている…… ……………… ………………………… ……… まず、店舗探しをして、1ヶ月、 その後、あるビルオーナーと契約を交わし、 内装工事に入る……… ………その間、オープンの日を決め、 印刷屋さん、酒のメーカー、酒屋さん、八百屋さん、 肉屋さん 、魚やさん、などと、仕入れの打合せ…… オープンキャンペーンの協賛の相談… それから、DMの発送、スタッフの募集と教育…… ……毎日が、めまぐるしく動く中、 食器やグラスとバー関係のアイテム、 照明器具などの購入にあちこちうごき回り、 準備を進めていった……… ……… 圭一も故郷から戻り、 毎日、精力的に動き周り、 スタッフの制服の購入や、店のデザイン、 ススキノの情報誌との打ち合わと、精力的に、動いてくれた………… ……スタッフは、 ススキノのパブ、バー、喫茶店などを、 見て回りったり、人の紹介などで決定していった。…… ………直也と圭一、キッチンがチーフと、 もう一人アルバイト、ホールはレギュラーが四人と、 アルバイトも四人決め、 オープン3日間は、全員出勤とした。 …… ホールのスタッフは、 全員がまずは、 ハンサムの範疇に入るメンバーを選んだ…‥ 今では、直也も圭一も…… いっぱしの経営者づらをして、いろんな問題に対処していった…‥ ……… 最初に、 出会った時、 23才と18才だった二人も、今や30才と25才になり、 自分達の独立に向けて、 協力し合い…… お互い、相手に対するリスペクトも、 年を増すごとに、強くなってきてて、 直也は、仕事上でも、 ブライベートでも、信頼し、 なお且つ愛し合える子は、圭一しかいないだろうと 心の底から思っていた………… ………… 約2ヶ月間のスタンバイを終えようとする…… オープンまで1週間に迫った日、 二人で、札幌から近い定山渓温泉に行き、 温泉につかって疲れをいやし、 お互いの愛を確かめるべく、激しいSEXに身を焦がした……… ……… 更に二人は、酒をのみかわしながら、もし、店を半年やっても… 経営がなりたたなかった場合は 店を閉めようと取り決めをした……‥ 経営者になれるかどうか、もうすぐ、その、試練がやってくるねと、 お互いを、励まし合って…………… ……………… ………………… …………… 2004年春、店をオープンさせた…………… 5条通りに面した、オークラビルの中に店はあった……… 結構広い店内で、照明は… 間接照明だけで、 暖かいかんじがするブラウン系のホールと、 グリーンとブルーの照明で光るカウンターに 分かれた店内は、とてもモダンで、 この光のコントラストが、直也のお気に入りだった………… …………開業初日、開店時間前の、 朝のミーティングで、一同が会し、直也が挨拶をした…… 「 おはようございます ! 、 皆さんの協力でこの日を迎えることが出来ました。 ありがとうございます 、 きょうは、 これから沢山のお客様が、お見えになると思います。 初日という事もあり、 店内は混雑するので、 混乱したり、ミスをしたりすると思いますが、 あなた方の培ってきた能力と、 昨日まで勉強してきた事を、 信じて、業務にあたってください。 自分を信じると共に、仲間と助け合う これを肝に命じて下さい。 では、きょう1日、宜しくお願いします、!! 」………… 直也の前に整列してた、スタッフ一同からも、 「 宜しくお願いしま ~ す、 !! 」 の声が駆け巡り、それぞれが、スタンバイに散っていった…… ………ホールスタッフを集める段階で、 圭一と直也は、いろんな店を見て周りながら…… ルックスもそうだが、表情が良い人、 動きがシャープで、 手と言葉使いがキレイな人、などを条件に 探し決定していった…… 採用が決まったスタッフは、 オープンまでの期間、 店のスタンバイと同時に、バーテンダー協会の講習会に参加させ、 基本を覚えてもらった……… ………キッチンは、 フレンチかイタリアンの経験がある人を 調理師会の紹介でできてもらい、 ヘルプを市内で有名なイタリアンのシェフにお願いした…… …………オープンの3日間、 キャンペーンをやったこともあり、 売り上げも、来店人数も、 満足出来る数字が出て、 直也と圭一は、歓ぶと同時に、 ほっと安堵していた……… ……直也が喫茶店から引き抜いた、 ホールの仕事が 他の誰よりも出来るであろうと 思ってたスタッフが、 3日間が終わり一段落した際に言ってきた…… 「 こんなかんじが、これからも続くんですか ? 」… と恐がりながら…… 直也は笑って、答えた… 「 まさか ! 、きょうで終わりだよ ~ 、明日からは 静かになるよ ~ 、! 」…と……… ………実際直也が言った通り、 その翌日からは、静かになり、 やっとバーらしく落ち着いてきて、 これからがほんとの店作りだと、直也は自戒していた……… ………もちろん、直也の横には、 絶対裏切ることのない、 相棒( 奥さんでもあるのだが )が、 いつも居てくれて……… 直也のヘルプや、 代わりを務めたり、直也にアドバイスをしたりと 多くの大切な事を、担ってくれていた…………… ……住まいは、開業前に、 姉の結婚が決まり…… 同居が、無理になったので、 高い家賃を払うぐらいなら、 自宅をと思い、 南8条の豊平川沿いに、分譲マンションを買っていた……… ………そこが、直也と圭一と猫のシオンのスイートホームになった……… 直也は、24時間一緒の生活は、 全然苦ではなく、幸せを感じでいたが、なおも、 家の事を完璧にやろうとする圭一が、心配でもあった……… ………店をオープンしたこの年は、 計画通りに進み、 心に余裕ができ始めた11月頃から… ……1ヶ月に2日、 定休日を作り、 休みの時は、二人だけで、温泉や景勝地を、 店のオープン時に買った車で、 旅をして周った、 ススキノから動かないときは、 この頃、時々行くようになっていた、ゲイバー に顔を出すこともあった……… ………直也が、4年前、 正広と出会いがあった店に、 久しぶりに行き、 ドアを開け、圭一と入っていくと…… マスターは、 「 お久しぶり ~ ! 元気だった ~ ⁉ 」……と、 あとは余計なことは、言わない…… 圭一を紹介すると、 「 あらッ、初めましてかしら ~ 、 宜しくネ ~ 、二人は付き合ってるの ~ ? 、」 「 えぇ 、 うちの奥さんです … 、」 「 二人 、お似合いよ ~ ! 」 これを聞いた圭一が直也を振り向き、 ニコッとしなから笑みで顔をくずしている…… ………飲み終わり、家に帰ると、 「 お似合いだって ~ ! 、良かったね ~ ! 」 圭一が嬉しそうに直也に顔を向けた…… 直也のほうは、 照れくさいのを隠すように、一言だけ返していた… 「 まあね ~ 、」……と… ………旅行は、北海道の端の方へは、 遠くて無理なので、 洞爺湖や登別温泉、然別湖や、十勝岳あたりと、 その日の前日に決める事が多かった…… ………… だいたい、車で片道3時間以内の場所から選び、 圭一の運転で行っていた。 直也は、車中では、 おおかたビールを飲んでいたので、 おのずと、圭一が運転手役だった……… …… 二人の旅で、赤裸々な思い出があるのは、 登別温泉に行った時、 メジャーではない、こじんまりとした 、 温泉旅館に、泊まったのだが、 シーズンでもなく、有名な温泉ホテルでもなかったので、 宿泊者がそんなに多くはなく、 風呂に行くと誰もいなかった……… ………大浴場と言っても、 まぁ、中位の大きさの浴槽で……湯けむりが凄くて、 10m先の向かい側が霞んて見える…… …… 浴槽の縁に並んで座り、 なんとはなしに、いつしか、 直也は圭一にキスをしていた……… ………最初は、軽くタッチする程度だったが、 徐々に、激しく… …直也は、 自分の舌を圭一の口の中の奥まで入れて、 圭一の舌と絡めていった…… 悶え始めた圭一を見て感じてきた直也は、 フェイスタオルの下で勃起し、 固くなった圭一の分身を握りしめ、しごきはじめる……… 圭一も… 直也の男をつかんで上下に動かしはじめた…… ………誰かくるんじゃないかと、 スリルを味わいながら、 二人は、エスカレートし、 直也は、湯の中に入り…… ……圭一の股間に 顔を埋めて、その肉棒をしゃぶり始めた…… ………圭一は、切ない声を発し、 喘ぎながら、直也の肩をつかんできた。 その時、大浴場の扉が開く音が聞こえ、 二人はあわてて浴槽に入り、何気ない体勢をとった… 興奮をおさめてから、風呂を出て、 部 屋に帰ったが、 その夜の圭一の乱れ方は、激しかった。 …… 圭一のアナルに、 肉棒を突っ込み…… 尻を動かしていた直也に、圭一は、 「 もっと ~ !!、もっと強く ~ 、 もっと激しくやって ~ !! 」と哀願し、 喘ぎなから、果てていった……… ………オロフレ峠では、 メインの道から外れた…… 砂利道を進み、丁度、 車の姿が見えなくなるカーブを、 曲がった当たりで、 二人は、カーセックスをした……… 秋の午後、車の中で、 素っ裸になり、 助手席の直也の上に、 圭一が馬乗りで抱き合う形で乗り、 手で直也のモノを握って、 自分のお尻の穴にいれていく。 直也が 下から突き上げ、 圭一みずからも、お尻を動かし、 二人で絶頂に向かって 登り詰めていく…… 最後を迎えた頃には、あたりは黄昏て、 薄っすらと、暗くなり始めていた…… ………二人の思い出の地は、 いろいろあった……ニセコのスキー場、 小樽のガラス工場、留寿都の遊園地、 旭川の街、積丹半島、 そして最も多く行った定山渓温泉など…… いろいろ行き、あちこちを見、 宿泊してそれぞれの土地のものを食べてと……… 公私ともに充実し、 店の運営も順調で、 取り敢えずは、何の心配もなく、 突き進んて行った……… 店全体のイベントとして、 秋頃、観楓会 ( 北海道独特の泊りがけの飲み会 )を、 開催する事にした………… ……… 開業の年は、11月の中旬に、 スタッフ14名が自家用車5台に分乗して、 国道230号線を函館方面に、 2泊3日の日程で出発した……… ………昼前に札幌を発ち、 午後5時には、函館市内に到着。 函館駅前にあるホテルに、チェックインし、 8時に1階ロビーに集合の声を掛けて、 7部屋に別れて解散した。…… ……だが、 直也と圭一がロビーに、 8時過ぎまで待っても誰も降りては来ず、 フロントから 電話を入れても取らない。 そんな、状況に、直也は圭一に告げた。 「 もう、待たなくていい !! 、食事に行こう ~ 」 「 そうね ~ 、遊びでも、時間を、守らないとね ~ 」……… …… 二人は、夜の函館を歩き、 金森倉庫や、末広町へと行き、 久しぶりのデートを愉しんで、 もちろん函館の美味しい寿司も堪能して、 ホテルへ帰った…… ………もう既に、夜中近く、 ツインベッドの1つに、 重なり合う直也と圭一の姿があり、 旅先の為か、二人とも一段と興奮し、 圭一は、 なまめかしい、嗚咽を洩らし、 直也も、圭一の尻の穴にはめた男のモノを、 深く浅くとくり返しながら、 激しく腰を振っていった……… 「トゥルル、トゥルル ~ 、トゥルル、トゥルル ~ 」 ベッドの横の電話が鳴り出し、 直也は一瞬ビクッとしたが、 すぐに、受話器を取り上げた。 「 は ~ い 、」、 ホールの責任者のうなだれた声が聞こえてきた。 「 済みません、マスター、 皆で、酒盛りして寝てしまって…… 今、起きました……こらからそちらへ行きます…… 」 直也は、上気した顔で、 こっちを見ている圭一の方へうなずきながら、 「 分かった 、10分後に来て ~ 。」 直也は、 サーッと下着をつけガウンをはおり、興奮を沈めた。 「 ピンポーン」 ドアを開けると、 スタッフが全員そこに立ちながら 「 済みませんでした 、! 」と頭を下げてきた。 直也は、 先程までの自分達の行為は棚に上げて、 マスターらしく注意を与えていった。 「 酒をのむなとは言わないから ~ でも、時間は守るように !! 今から、食事だけど ~ 、 何時に帰ってもいいから、 明日の集合時間は、守るように !! 、」 全員がエレベーターホールへ向かい出した時、 直也は責任者のスタッフを呼び、 全員の安全の確認を支持して、 食事とその後行く店、 合計3ヶ所で必要な分ぐらいの現金を渡した…… ………圭一のかたわらに戻り、 眠ってしまったかと思いつつ ベッドの上掛けをめくり、 すべり込むと……… 圭一が抱きついてきて、 直也の股間に手を 伸ばしながら ~ SEXしてと 頼み込むような眼で見詰めてきていた……… ……………… ……… 開業2年目は、 1周年記念のキャンペーン、 ススキノ祭りへの屋台の出店、 札幌夏祭りへの協賛とあわただしく動いた……… ………夏に入ったころには、 ススキノ観光協会主催の、 東京の飲食店を見て周る研修会があり、 直也は、圭一に店を任せて、参加した……… ……… 往路は参加者一同東京へ行き、 酒のメーカーの案内で 都内の有名店を3日間巡り、 それぞれのノウハウを勉強させてもらった ……… ………復路は現地解散で… その前日… 10人ほどで六本木のクラブにいったが… 直也は酒を飲み過ぎてしまい、 もうろうとしながら、皆と離ればなれになり、 洞窟のような造りの、 砂を敷いたような床に、 座り込んていた…… ……どこからか声が聞こえ、見渡すと、 若いかっこいい子が 自分にしゃべってるようなので、 適当に合わせて、 うなずいていた…… ……そうすると、彼は、直也に肩を、 貸しながらクラブを抜け出し、 タクシーにのり、家まで直也を連れていった……… ……… 直也は、はっきりしない意識のまま、 その彼とともに、服を取り去り、 SEXらしいものをしたようだが、 あまり覚えてはいなかった……… なぜなら、服を脱いでいる最中に、 その彼が… 直也に何かの錠剤を、結構な量、 飲ませてきて…… しばらくすると、 直也は頭がグラグラして来て、 その後、眠ってしまったのだ ……… ……………………… ……直也は、なんとなく まぶたに陽光をかんじ……目を、開いてみると、 窓の外が明るくなっていて、 “ もう昼ぐらいになってるのかな ” と 思っていたら、 居間のほうで座っていた彼が、口を、開いた。 「ずーっと寝てたんだよ 、! 」 ………ずーっとの意味がわからない直也は、 その彼に日付を確認した… すると、丸1日半、 眠ってた事が分かり、帰りの予定日は、 昨日に過ぎ去っていた。 直也は驚きながら、身支度をし、 その彼とはとんど会話もせずに、その場を後にした……… ………タクシーにのり、ホテルへ向かったが、 頭がガンガンして痛く、ふらふらして 歩く事もままならない……… タクシーの中で、心配になり、 ……自分の財布の中とか、バッグのなかを確認した… やばい奴だったのかと思いながら……… ホテルに着いてすぐに、 フロントに行き、 精算と、一番早く乗れる飛行機の 手配をしてもらった……… …………… ………………… ………乗り物によっているような気分で…… 直也は自分の店にたどりつき、 ドアを開け、すぐ左側の、 店内では、目立たない位置にあるボックス席に 座り込んだ…… ……… 気付いたスタッフが、順番に挨拶してきても、 圭一が、近くに、 寄ってくる気配がないので、 直也は、乗り出してカウンターの奥の方へ目を、走らせた…… ……そこには、恐い目つきで、 般若のごとく、 こちらをにらんでる目が、 あった…… 直也は、 あわてて目をそむけて、凍りついていた……… …‥今は 夜もまだ早く、 常連客の女性が一人カウンターに座り酒を飲んていて、 圭一もご相伴にあずかり、 向かいに立ち、飲んでいるのだか、 その女性がキープしてるのは、 日本酒で、そんなお客さんは、 バーには、あまりいない。 ……毎日のようにくるので、 許されてるようなもので、スタッフ側も 、 日本酒となると手を、 出さない…… どういう訳か、酔っぱらって、 仕事にならない場合が多いのだ…… それを知りつつ、圭一は、 スーッと飲み干していっている……… ……… と言う事は、飲まずにはいられない理由があると……… 直也は恐くて…‥ ここにいることに、いたたまれなくなり、 スタッフの一人を呼んて、 圭一への伝言を頼み、店を後にし、 帰路についた…… 「 飛行機に乗り遅れました 。悪い事も少しばかりしてしまいました 。 ごめんなさい 。」との、伝言を残して……… …… 圭一は、2日間、 口をきいてくれなくて、 やっと話してくれるようになってから、 直也は 「 変な行動をしません 、裏切りません 、!! 」と誓った…… ……… そしに対する、圭一の返してきた答えは……… 「 飲みに行きたかったら 行っても良いし、 遊びたかったら遊んでいいから…‥ 私は、 家にいる方が好きだから、家で待ってる 、 それに、 あなたに、 私以上の人は出てこないから、 必ず、わたしの所へ戻ってくる …‥ 」…と… …… 直也は、圭一の言葉には、驚いたが、 でも、確かに彼の言う通りで、 …… ギリシア神話から 抜け出してきたような… 圭一の美貌は…… ( 圭一は男なのに、この言葉がぴったしだった ) 他の追随を許さなかったし… そしてそれにも増して、 圭一が持っている、いろんな能力に、 直也は、頭が、上がらなかったのである……… ……… …………………

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