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お仕事見学
雲ひとつない快晴。真夏のような良い天気。そんな中、俺と爽は某大手芸能事務所に来ていた。
「お、おい華、これのどこが遊びだよ」
肘で俺の腹を突きながら震えた声で聞いてくる爽。聞きたいのは俺の方だ。
「白林さん!おはようございます〜」
「おはようございます!」
「は〜い、おはよ〜」
俺と爽の前を歩く白林さんに挨拶していくのは皆、美男美女。それも芸能界に疎い俺でも知っているようなモデルやタレントばかりだ。おかしいと思ったんだ。受付嬢さんは明らかにただの受付嬢のレベルじゃないし、360度、何処を見ても綺麗な顔しかいない。
「なぁ、華、ほんと、な、なんだよこれ」
「…いやぁ、俺が知りたい」
「いや〜華くんの友達ならイケメンなんだろうと思ってたけど想像以上にイケメンでお兄さんビックリしちゃったな〜」
今日は白髪をポニーテールにしている白林さん。ポニーテールと言ってもそんなに高くも長くもないけれど。
普通、男で髪が長いと不潔に見えそうだが白林さんの髪はサラサラトゥルトゥルキューティクルでおまけにいい匂いまでしそうだ。
黒のジャケットに白いシャツ、ジーンズという至ってシンプルな格好なのにそのままランウェイを歩けそうなほどオーラがある
「…そういう白林さんこそモデルみたいですよ」
爽が頬をひくつかせて返事をすると『よく言われるよ。俺はプロデュースする側なんだけどな』と笑った
「…え?白林さんのお仕事って…」
「ん〜スカウトマンしてそのままその子をデビューさせたり…あとは色んなデザイナーだったり?かな。」
「「……」」
「さあ〜今日は二人に〜お仕事体験して頂こうと思います!」
パチンと手を叩きにこやかに笑う白林さんが入った部屋に後に続く。そこには無数のカメラや照明があり、結構な人数のスタッフさんがいる。どうやらスタジオみたいだ。パシャパシャと瞬くフラッシュの中心には、綺麗めの女の子と気だるげな女の子の二人組が様々なポーズを取っていた。
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