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更衣室の中で渡された物を一通り物色する
腕の中には、紺の開襟シャツ、無地の白Tシャツ、ベージュのスラックスと黒いキャンバスシューズ、革ベルトの腕時計。決して奇抜ではないし流行りというわけでもなさそう。
「…んー、変な感じ」
取り敢えず着てみたが鏡の中に鏡に映る自分は自分じゃないみたいで違和感が凄い。普段そんな出かけないし一年中プルパーカーだからな…。違いは生地が夏用か裏起毛なだけだ。こんなシャツonシャツするだけで大人っぽくなるんだ
シャッとカーテンを開けると元々ハッキリしている目を更にまん丸にする神崎さん
「えと、俺こんな格好した事ないんですけど着方合ってます…?」
「…合ってるよ大丈夫。カッコイイね金条くん」
上から下まで舐めるように見られて居心地が悪い。
視線から逃れるように爽を探すと丁度、隣の更衣室から出てきた所だった。
「華〜お前それすっげえ似合ってんな!!!」
関口一番、俺を褒めた爽は、白に黒のワンラインシャツにベージュの冷感チェスターコート、黒のスキニーとダッドスニーカーに身を包んでいて、…
「爽、かっこいいじゃん…」
「うわ、俺、天才かも」
まるで雑誌から飛び出してきたみたいな爽やかさに俺と神崎さんは同時に呟いた
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