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「──はぁ????!!!しつこいんだけど!!!」
「こっちのセリフだバカ理央!!!」
あれからどれだけ時間が経ったか分からないほど言い争っていた。二人でハァハァ上がった息を整えていると、白林さんの苦笑混じりの仲裁が聞こえる。
「ほらほら、二人が廉大好きなのは分かったからそこまでにしようか。」
「優斗〜金条うざぁ〜い」
「俺には仲良しに見えたよ。俺と清水君は帰るから、じゃあな廉」
「ごめんな、なんか」
言い争っていたのは俺と理央なのに黒川さんが謝ってくれて白林さんと爽は帰っていく。あーあ、白林さんと話したかったのに。としょんぼりしていると理央の元気な声が耳元で聞こえる。
「廉!今から廉と水族館いきたーい!!」
「ん、あー…あぁ〜…華、行く?」
「…え、」
思わず目を瞠る。理央は黒川さんと二人で行きたいのでは無いか。案の定、俺を誘った黒川さんに詰め寄る理央。
「はぁ?!なんでそいつも誘うの!廉と二人がいいのー!」
「なんだお前今日は一段と煩いな」
「…うるさくないもん」
「ちっとは華見習えよ…」
ちっとは、ってジジくさ…。せかせか準備を始めた黒川さん。理央はスマホと財布だけを持って準備万端って感じ。俺も荷物は無いしとりあえずスマホと財布をポケットに突っ込み、先に玄関へ向かった黒川さんと理央を追いかけた。
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