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7 side 金条 華
「……?」
「おはよう」
瞼をスっと撫でられて擽ったさに目を開けると、俺は黒川さんに抱き締められていた。
うそ、俺寝てた?どのくらい?もう夜とかじゃないよな?
「そんな寝てないぞ。10分くらい」
「…そうですか」
俺の心を読んだ黒川さんに頷いて体を起こす。
一応起き上がったのはいいけど、どうしよう。
確実にセックスする流れだったのに気付いたら寝ちゃった。
「……えっ、と、」
怒ってる?呆れてる?
それとも両方?
怒っては無さそうだけど機嫌は良くなさそうな黒川さんの顔に思考回路を巡らせる。
ていうかとりあえずもう一回…なんか言わないと…もういいとか言われたら俺死ねる…
「…セッ、…」
「…クスする?」
はい、とか、頷くとか俺が何か反応する前に押し倒してきた黒川さん。
その表情は全然嫌がってる感じじゃなくて心の中で安堵のため息を吐く。
今度はあっという間に重なった唇。嫌がられてないのが嬉しくてさっき泣いたのにまた涙が出そうになった。
「はいはい、もう泣かない。チューで殺すぞ〜」
「うふふ…悪くないかもです…」
そうは言われても、瞬きすると堪えていた涙が目尻から流れてシーツに染みる。
「あ、ごめんなさい…」
「何が?」
「寝たし、泣くし…色々めいわ」
く、まで言い終わらない所で顔をぶにゅっと掴まれる。
「迷惑じゃない。俺の前で泣いてくれて嬉しかった。」
また迷惑かけた、と胸がチクチクしていたのに黒川さんが嬉しかったって言ってくれただけでそれが無くなって気持ちが楽になる。
「じゃ、仕切り直しな」
「んっ、…」
涙を拭きながら頷くと始まった、息ごと奪うようなキスに目を閉じた。
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