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黒川さんの上に跨って準備をする事、十数分。 マシになってきたのか、なっていないのかわからない。 うーんと内心頭を抱えながらぐちぐちを動かしていると大分スムーズに入りそうな気がしたから、指先をちょっと押し入れてみる。 「…ぁっ、入った…」 「どんくらい?」 これは、多分── 「…ぁ、ん…えっと、小指、第二関節くらいまで…」 「…日が暮れる」 はぁっ、とため息をついた黒川さんの手が、後ろにまわしている俺の手を叩く。 「ぅ、…」 少ししか入っていなかった指を抜いて黒川さんを見ると、次の瞬間抜けた俺の指の代わりに、黒川さんの長い指が無遠慮に中へ突き立てられた。 「いっ…あっ、なんで!さっきだめって言った!やっ、」 「さすがにそのスピードだと丸一日かかると思って」 十数分で第二関節までしか入れられなかった俺と、数秒とかからず指を挿入した黒川さん。 言われた通りで否定できない。 それから俺の口からは否定でも文句でもなく甘ったるい声が漏れる。 「…ぅぅん…あぁ、あ…」 「…痛くない?」 なんでなんで? 自分でしたときはめちゃくちゃ痛くて辛かったのに黒川さんにされるとゾワゾワしてきてじっとしていられない。 多分さっきより拡がった後ろに入れられている指の本数は増えているし動きも大きくなっている。それに比例して俺の奥もむずむずしてくる。 「ここが華の好きな所」 さっきみたいに意地悪く笑うと同時に擦られた中。 「っ、ぁあぁぁ…ぅ!!」 「おっ、」 ガクンと力が抜けた体を咄嗟に支えてもらう。 急な強い刺激に目の前にチカチカと星が瞬いた気がした。

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