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「華、華、…」 「んっ、は、んぁっ」 突かれながら首を伝う舌にも過敏に反応してしまってゾクゾク震える。 目が合うのも、名前を呼ばれるのさえ耳に入ってくる声で気持ちよくなって怖い。 『好き』と『怖い』と『もっと』と『やめて』が頭の中をぐるぐる回る。 「かわいい、可愛いよ、好き」 「ぃ、っやだぁこわいい」 耳元で何を言われているかもわからない。 一番奥が突き破れるんじゃないかというくらいの刺激から逃れたくてぶんぶん首を振りながら訴える。 勝ったのは『こわい』だった。 「、あ…ごめん大丈夫?」 「…っあ」 ハッと動きを止めて俺の中からずるっと出ていった黒川さん。 滲んだ視界で見えるのは心配そうな顔。 「怖いよな、ごめんな。今日はもうやめとくか」 労るように髪を撫でる手を咄嗟に掴んだ。 「…おれ怖くない…です…」 怖いのは黒川さんじゃない。 終わりの見えない快感が怖い。 「…怖くないけど…気持ち良すぎて怖い…です、…だから…あの、…」 つづき、してください、とは言えずに黒川さんの手をギチギチと掴んだまま今度は俺が視線を彷徨かせる。

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