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紫と黒

「ッくしゅ!…っは!」 ぱちっと目を開けると、寝起きのぼやけた視界にオレンジ色の照明。 眩しくて手の甲で目を擦る。 「お、起きた?」 「おはようございます」 横から頭を撫でられた。 右隣には爽やかに微笑んでいる黒川さん。スマホで誰かとメールしてたっぽい。 ていうか黒のベッドの上で黒いTシャツを着て、本当に黒が好きなんだなぁ・・・。 黒川さんの方に寝返りをうつと、俺も同じ黒いTシャツを着ているのに気付いた。 「急に飛ぶなよ、焦るから」 ちょっとむすっとして俺のデコに軽くデコピンをしてきた。 「…ぃてっ…すみません」 どうやらいつかのタイミングで気を失っていたらしい。 体はかなりダルい気がするけど、俺が出した精液やら色々で汚れていたシーツは替えられて綺麗になっていた。 しかも着替えてるって事は多分風呂まで入れてもらってる。また迷惑かけてしまったけど申し訳なさより、ここまでしてくれた事に対する嬉しさの方が大きい。 「ありがとうございます」 「気にすんな。無理させたから」 スマホをベッドボードに置いた黒川さんとの距離を縮めて、ぎゅーっと抱きつく。首元に額をぐりぐりしようと少し顔を上げたその時。 「…?」 ふと首に何か違和感があり、自分の首を触る。 「ん??」 俺の首には何かが巻きついていた。

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