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「!!!!」
その正体に予想が付くと同時にガバッと起き上がってベッドから下りる、が毎度の事ながら力が入らず冷たいフローリングにべたんと着地。
「おい華!落ち着けよ」
上から降ってくる黒川さんの声に反応している余裕はない。
早く自分の目でしっかり確認したくて、廊下に続くドアまでずりずり這って移動する。
「華、肩貸してやるから」
「早く!早く!」
黒川さんがのそのそ俺の隣まで移動してくるその少しの時間も待てない。ワクワクとドキドキが俺を急かす。
「本当に落ち着けよ…」
黒川さんに肩を貸してもらいながらヨタヨタ長い廊下を進み、洗面所まで到着。
心臓は嬉しさでか分からないがバクバク鳴り響いている。
「これ、これ!」
鏡に映る俺の首には予想通り、首輪がついていた。
「俺のって証」
鏡越しにふわっと照れくさそうにはにかんだ黒川さんと目が合う。
「…嬉しい…もらったの初めてです」
後ろからの視線を感じながらそっと指先で首輪に触れる。
色は黒で、首輪と言うほど太くはなくどちらかと言うとチョーカーって感じ。
前に俺のイメージカラーって言ってた薄紫じゃなくて黒なのが黒川さんのって感じで嬉しい。
「当たり前だろ。初めてじゃないと俺が困る」
背後からぎゅうっと抱き締められて少し痛いし、首輪があるのはネクタイと違って息苦しい感じはある。
でも黒川さんから贈られたものだと思うとその違和感や苦しみでさえ嬉しい。
「番契約の上書きなんて聞いた事ないけど、念の為、な」
気に入った?と言いながら俺に頬ずりしてくる黒川さんに、体をくるっと反転させて思いっきり抱きつく。
「お気に召したみたいで良かった」
「嬉しくて変な顔になりそう…」
ニヤニヤ顔を見られるのは恥ずかしいから、頑張って表情筋を固めるので頬がひくひくして辛い。
「…全然変わってないから大丈夫」
「?本当にありがとうございます!大切にします!」
ボソボソ何か言った黒川さん。
何を言ったか全然聞こえなかったけど、最後にもう一度思いっきり抱き着いてお礼を言った。
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