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「「ありがとうございました〜」」
今日も琉唯くんと頭を下げて花屋さんを出る。
ここ一週間、バイトは昼過ぎまででそれから病院に向かっている。
それにしても…今日は疲れた〜!ぐーっと伸びをすると少しだけ体が軽くなる。
花を買いに来る人、全員に赤い糸があるのが見えて大変だった。
これから告白する青年から伸びている糸は特に強く光っていたし、結婚記念日だから奥さんに花束を買いに来たダンディーなおじ様から伸びる糸は細いけど丈夫そうな糸だった。
すれ違う人の糸を見ながら色々想像していると楽しい。
人それぞれ、状況に応じて糸は変わるみたいだ。
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「……は…」
こんなのって、あんまりじゃないか。
バイト先から病院へそのまま向かった俺は、未だに寝ている黒川さんの左手を見て絶句した。
わなわな震える手を握りしめてもう一度確認する。
何度見ても黒川さんから伸びている赤い糸は俺の右手とは繋がってなかった。
「華?どうしたんだよ」
駄目だ俺の運命の相手は黒川さんのはずなのに。
黒川さんだって糸は俺と繋がってたって言ってた。それは絶対嘘じゃないって信じてる。
なのになんで?
俺と黒川さん、繋がってないじゃん。
俺が思わず掴む黒川さんの左手から伸びる糸は窓の外へ向かっている。
何度も言うが、俺とは繋がってない。
「おいっ華?!」
なら俺のコレは誰と繋がってんだよ。
琉唯くんの慌てた声を無視して病室を飛び出す。
その勢いのまま、自分の糸が伸びる方へ廊下を走った。
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