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5 side 金条 華
心臓がバクバク大音量で鳴り響く。
廉さんにドキドキしているからなのか、ヒートのせいで心拍数が上がっているのか分からない。
ドキドキだったらいいな、なんてひっそり思う。
獣のように息を荒くした廉さんを見るのは本当に久しぶりで、それだけで軽くイキそうになった。
「何か辛かったら言えよ」
「ぁっ…ぅ…」
こくんと頷く。
辛いことがあっても大丈夫だ。好きって気持ちだけで、4年も廉さんを待つ事ができたんだから。
大好きな真っ黒い瞳。
その瞳に、また俺が映ったのが嬉しくて胸がきゅうっと苦しくなる。
長い腕の檻の中。綺麗な顔が近づいてくる。
少し開いた口から覗く鋭い犬歯。α特有のそれで、下唇をやわく噛まれた。
微かな期待に口を小さく開く。
少し荒くあつい舌が滑り込んできて、食べられるという表現もあながち間違いではないくらいに、長く激しいキスをした。
「ぅ、ンっ、んぅ…」
離れていく唇を追いかけて、舌先に吸い付く。ちゅぅっと唾液をすすると、離れた唇がまた戻ってきて、軽く下唇をあむっと食まれて終わった。
…もっとしたかった。少し残念。
唇がちょっと痛いけど、全てが嬉しくて幸せで、すぐに痛いのなんか気にならなくなる。
「服、邪魔だな。脱がせてから寝せればよかった」
恨めしそうに、俺の着ているスウェットを睨む廉さん。
言葉だけ聞くと、落ち着いているように聞こえる。
だが、声音から『今すぐ身ぐるみ剥がして喰い尽くしたい』という激情がヒシヒシと伝ってきて、背中がゾクゾクした。
「っ、ぬぎます」
廉さんが邪魔だと思ってるなら脱ぐに決まってる。
暑いし、どうせ今から脱ぐことするんだから。
スウェットに手をかけた瞬間、廉さんにその手を掴まれる。
「?」
「待って…先に一回出さないとヤバいかも」
グッ、と押し付けてきた昂りに、驚いて腰を引こうとする。が、仰向けなのでそれは叶わない。
こちらの驚きも知らず、ゴリゴリと擦り付けられる昂り。かなり、結構、とても、すごく張り詰めていて苦しそうだ。
「ン、ん、…っふ」
服越しなのに熱くて、もどかしいけど十分に気持ちいい、未経験の刺激だった。
なにこれ、こんなのしたことない。
だんだんと激しくなる揺れに、ベッドが悲鳴を上げ始める。
お互いに腰の動きが止まらない。
「アッ、はぁっ、もっと…!」
「…ン、…」
両手を背にまわしてしがみつく。
応えるように強く抱き返されると、それだけで嬉しくて後孔が疼いた。
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