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第21話
なら、別のやり方で出させるしかない。結局こうなるのか…。
「はい?」
怒られると思ったのか、ごんがびくりと身を硬らせた。
「入れてくれ…。ごんが欲しい。」
「…。」
ごんが俺の言葉を聞いて固まる。
__________
「あはっ、先輩、可愛いっ!はぁっ、」
「んっ、ふっ、〜っ!ごん、…あっ、ん、ごん、もっと…。」
俺はごんに組み敷かれて責め立てられる。チラリとみた時計はもう昼前、ごんも結構疲れた筈だ。
うっすらとかいた汗を光らせ、ごんがニッと笑う。
「…えへ。どうしよっかなぁ〜。」
「ご、ごんっ!」
そう言うや否や、ごんは動きのスピードを緩めた。
俺は作戦も何も忘れ、物足りなさを感じて声を上げた。
「お願い…。ごんってっ!」
「なつ先輩、急にえっちになっちゃったの?」
「う、うん…〜っ!」
ああ、また…。ごんに変なスイッチが入っている。
「どうして欲しいんですか?」
ゆるゆると、寸止めに近い快楽で苦しい。
ごんは至極楽しそうに笑っている。
「あっ、あぅ…、い、ぱい……して…。」
「うんうん?それはもうしていますよ?」
「違っ…うぅ…、ごんってば‼︎」
「ふっ、あー!もっ、やっぱりなつ先輩、可愛すぎ!最高です!」
ごんは吹き出し笑ったかと思うと、急に動きを激しいものにする。
「んんっ、〜〜っ!あ、ふっ、」
そしてどろどろの俺を見下ろし、とろけそうな笑顔を浮かべぐちゅりとキスをする。頭がじんじんと痺れる。ごんが中で出した感覚がした。
これで何度目だ?ごんの息が珍しく上がっている。きっと後少しだ。
「先輩…はぁっ、流石にちょっと、疲れましたね。」
え!本当に⁈
「でも、まだ欲しい…。ごん、続けて?」
それなら、そろそろチャンスだ。あと1、2回精気を出させて、隙をついて反撃だ。
はぁ、我ながら酷い作戦だ…。
「……ふっ、ふふふ…。」
「んっ、」
俺の言葉を聞きごんは笑う。笑いながら、ごんはちゅっちゅっとキスをしてくる。俺の腹にキス、鳩尾、胸、顎…唇。そして同時に俺の手を顔の両脇に縫い止める。
「先輩、佐倉と何を話しました?」
「!」
顔を寄せてゼロ距離で目が合った時、ごんは全てを見透かしたような鋭い目をして口を開く。赤い目をしていた。俺は思わず固唾を飲む。
「あはー、分かりやすいなぁ。」
「…そ、…何言ってんだ。俺、この家から出てないし!ごんが…出れなくしている張本人だろ。」
口の端を上げるごんに俺は食ってかかった。だってこの計画がダメなら、他に方法がもうない。
「んー、メッセージを伝える方法、やりようはありますよ。佐倉と俺って、なんだかんだ言っても結局兄弟。残念ながら考え方、似ていますし。…好みも。」
「好みも」ごんは一瞬不快そうな顔をした。しかし今の俺はそんな事に構ってられない。
なんとか、誤魔化さないと…。
「まぁ、いいや。先輩、面白い事してあげますね。」
「え、あっ、」
ごんはすっと俺の下腹、自身の付け根辺りにキスをする。
「な、なに…。」
「…。」
ごんが顔を上げ、俺を見据えて無言でニタリと笑った。目が赤いせいか笑顔が禍々しい。
「3」
「え?ちょ、」
「2」
ごんが急に何かをカウントし出す。
「ご、ごん?」
「1」
パチンッ
「っ‼︎」
ごんが指を鳴らした瞬間の事だった。ずぐんと下半身に走る、劣情。俺はびくんっと身を震わせた。
「はあっ、あっ、ご、ん…何?」
何もしていないのに、息が上がる。頬が紅潮していくのを感じる。俺は大袈裟にうろたえた。反対にごんは更に笑みを深くした。
「あはっ、先輩の性的要求を上げました。先輩は怒るかもしれないけど、鬼頭チーフに教えてもらったやつ。面白いでしょ?」
え?何故そんな事が…。
てか、鬼頭チーフがやる事、本当にろくなことがない。
「ふぐっっ〜っ!」
戸惑う俺を他所に、ごんがべろりと俺の下腹を舐める。俺はその感覚だけで軽く達する。
いや、なんで?体の動きだけじゃなく、感覚も乗っ取られている。これはもしや、既に最終段階なのでは?
「ふふ、なつ先輩は佐倉に何を聞いたのかな?これも聞きました?」
「あっ、…っ、〜〜っ‼︎」
そう言ってごんは指先でぐりっと、俺の下腹を刺激する。俺はまたびくりと、体を跳ねさせる。
「性的要求あげると、体がその事ばかり求めて、何とか、宿主に、セックスして」
「あっ…っ!」
「してして、しまくって、」
ごんはぐりぐりと、押す手の力を徐々に強く乱暴なものに変えていく。
「ぐちゃぐちゃになるまで、やりまくって」
「ふっぐっ、」
「どうにか、その要求を満たさせようと、体の感覚をそっちに全振りしてくるんですって。今のなつ先輩みたいに。」
「はぁっ〜〜っ!」
ごんは言葉を区切り区切り、もはや掌で俺の下腹、前立腺の上なのか、そこをぐりぐり刺激して話した。俺はその刺激にびくりとびくりと、打ち上げられた魚のように跳ねる。
「あー、涎。なつ先輩、垂れてる。」
「あっ、やっ…っ、ご、やめっ…ふぅっ〜〜〜っ!」
今、あの甘いキスなんて無理!
俺は手でかばおうとするが、動けない。結局、ごんは俺の顎を伝っていた涎を舐め取りそのままキスをしてくる。ぐちゅりとなる音。口内を占領される感覚が、更に快感を加速させる。
「あはっ、先輩、俺、佐倉が思うよりも、先輩が思うよりも、大分悪魔かもしれません。」
赤い目を光らせ、ごんが笑う。
「で、先輩、佐倉はなんて?」
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