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第77話

「……ん……っ」  まだ触られだしたばっかりだっていうのにもうガチガチ張りつめて硬くなった息子。 「もうこんなに濡れてる」  真っ暗な視界。  だからやけに触られてる感覚に集中してしまってる。  肌をくすぐる優斗さんの声と吐息にぞわぞわと肌が粟立って。 「ちょ……まっ」  熱い手が先走りをまとわりつかせて上下する動きにあっという間に射精感が湧いてくる。 「こんなにびくびくさせて、もうイクんじゃないの?」  優しいけど、すこしからかうような声。  めちゃくちゃ、恥ずかしい。  でも、だって、しょうがねーし! 「ゆ、ゆーとさん……っ」 「うん。もう何回か寸止めだったし、限界?」 「……っあ、ん……っ」  女の子かよってくらい高い声が出て顔が熱くなる。  掌全体で扱かれながら先っぽを弄られて身体が震えた。  たくしあげられたシャツ。  背中にのしかかる優斗さんの身体と体温。 「……っ……ほん……と…っ……まっ……て…」  絶対ヤバい。  気持ちよすぎて頭ん中、高速で真っ白になってってる。  最速ででそうになってる。  そ……そーピー……。  ぜってぇ、自分じゃ言いたくない言葉を思い浮かべながら、そんなあほなこと考える余地もないくらい快感に支配されてく。 「イっていいよ?」  まったく手の動きを弱めることない優斗さんは手に加える力に強弱つけながら上下しつづけて。  舌が首筋や耳を這う感触に追い立てられながら、俺は小さく身体を震わせ続けて。 「………っく……ぁ……ッ」  情けないくらいあっさりと欲を吐き出してしまった。  肩で息しながら一気に脱力。  だけど全部出させるように優斗さんの手は動いたままで、びくびく身体も震えたままだ。 「早かったね」  笑う声がして、ようやく手が離れる。  それからずり下がってたズボンと下着を全部脱がされて、シャツも脱がされた。  だけど目隠しはそのまま。 「優斗さ……ん」  見えないと、なんかやっぱヤだ。  確かに身体はどこ触られるかわかんねー分、敏感になるけど。  だけど――……。 「……っ」  うつぶせにさせられて背中にまた優斗さんの重み。  でも腰を持ち上げられて脚開かされて、後孔に宛がわれる熱い熱と硬さ。  ローションじゃないぬるっとした感触。 「……ゆ……優斗さん…?」  たぶんっていうか、先走りが入口に塗りこめられる。  ぐちぐちとほんの少しだけ押し広げられるように先が慣らすように何度も浅く出し入れされる。  いきなり、なんてこといままでなかった。  びっくりして身体が強張ると宥めるように腰を撫でられた。 「……ッ……」  でも――さっきも指でほぐされてたし、もう今日何度もソコを広げられてたからか、ローションも使ってないのに俺の後孔は優斗さんのをのみ込もうとする。 「……いれていい?」  少し低くなった声が訊いてくる。  じわじわと狭まってくる圧迫感と熱に背筋が震えて――俺は小さく頷いた。  それに対する返事はなくって。  背中にキスが落ちて舌で舐められて、腰をぐっと掴まれた。  そしてゆっくりと優斗さんのが俺のナカに挿ってきた。 「……ッン……はっ……」  ローション使ってないからか、その分いつもより生々しく感じる。  熱くて、ゆっくり動くたびに摩擦が強くて、さらに熱くなってって。 「……あ……っ、く……っ」  俺のナカを確かめるように長いストロークで出てっては奥まで挿ってくる優斗さんのもの。 「……捺くんのナカ、熱いね」  なんも見えねーからか、優斗さんの吐息も、いつもより鮮明に感じる。  ちょっとづつ乱れてきてる息遣いとか、熱っぽさを増してる呼吸とか、艶っぽい声とか。 「……あ……っあ」  もうまじでどうしようもねーくらい、気持ちいい。  枕にしがみついてただ優斗さんにされるままに突き動かされる。 「捺くん」  背中に何度も落ちてくるキス。  それにいちいち身体を震わせてたら、前に手が回ってきて抱き起こされた。 「……ッ、く……っ、ヤ……め」  そしてそのまま俺は優斗さんに後ろから抱き締められたままの恰好で、いわゆる背面座位にさせられて。  もっと深く突き刺さる優斗さんのに息を飲んでたら、いきなり俺の息子が握られて扱き始めた。 「相変わらず元気だね」  俺のはまた硬さを取り戻してた。 「……ぁっ……だっ…て」 「だって?」  俺の肩に顎を乗せ喋る声の振動が肌からも伝わってくる。  ぺろりと頬や耳たぶを舐められて、下から突き上げられて優斗さんの腕を握りしめる。 「……ゆ、うとさんが……触るからっ……ん」 「捺くんは気持ちいこと大好きだしね?」 「……っ、ァッ」  優しく笑う声、だけど反対に突き上げは急に早くなって身体が大きく揺れる。  もうまじで気持ちよくて頭ん中がぐだぐだに溶けていってた。  もっと、って言葉でいうよりも身体が反応して自分でも腰動かしながら快感を追ってしまう。 「……優斗……さん」  でも――やっぱり、顔が見えないのはなんかヤだった。

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