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第78話

「どうかした?」  耳たぶを甘噛みしながら優斗さんが訊いてくる。 「……目隠し……とっていい……?」 「なんで?」 「……ん……ッ、だ……って……やだ……、ふ……っぁ」 「こんなに感じてるのに?」  ぎゅっと息子が強く握られて少し痛いのにそれでも脈動してしまう。 「っ……ゆうとさん……っ」 「なに?」 「……キ……スは……?」 「……」  息子弄られて揺さぶられて気持ちいいけど、足りない。  無意識に出てた俺の呟きに対する答えはなくて、そのまましばらく突かれて。  急に押し倒された。  ずるっと後孔から抜けてく優斗さんのに身体がびくついて、そしてうつぶせから仰向けにさせられた。  脚を抱えられてすぐにまた挿ってくる。  一気に奥まで貫かれてイイとこを激しく突かれて快感が電流みたいに全身を駆け巡る。 「……っあ……、……ンッ」  射精感とは違う絶頂感が沸き上がってきて声を押さえられないでいたら、温かいものが唇に触れてきてぬるりとしたのが口の中に入ってくる。  俺の咥内をあらす舌。それに夢中で舌を絡めた。  息もできねーくらいのキスにもうわけわかんねーくらい全部熱くなっていった。  唾液が口端からこぼれるのを感じた頃、キスが終わって、今度は律動が激しさを増す。  真っ暗な視界の中でわかるのは俺の息の荒さと、優斗さんの呼吸がどんどん余裕なさそうに掠れて乱れていってるってこと。  いつもなら快感に耐えるように腰を打ちつけてくる優斗さんの表情を俺は見てて。  だから――やっぱ、足りない。  目隠しはされてる。  でもそれを外さないように俺の手を縛ってるのは優斗さんの『とったらダメ』っていう言葉で。  でも、でも俺の手は自由だから。  ちゃんと顔を合わせて、イキたいし、優斗さんのイク顔も見たいし。  だから、俺は。 「……は……っ……ん……、ゆ……っ……う……」  優斗さんから言われた言葉を無視して、目隠しを取った。  真っ暗から薄暗い世界に変わる。  ベッドサイドのライトが少しだけついた室内は薄ぼんやりとしてて、そして俺に覆いかぶさってた優斗さんを見て。  目が、あって。  お互いの動きが止まった。 「――……だから」  息を飲んで、固まった俺に、優斗さんが困ったように小さく笑う。 「だから――取ったらダメだよって言ったのに」  そう言って優斗さんはまた俺にキスを落とした。  ほんの数秒止まってた動きは再開されて、絶頂に追いやるような激しい動きに俺は――……シーツを握りしめた。 「……ッ、……あ……っん……く」  ただされるままに揺さぶられながら、ただ快感だけに集中して。  でも――どうしても胸に突き刺さって苦しいのは……俺を見てた優斗さんの目で。  欲情に濡れて。  だけど――冷たい眼差しで。 「……ン……っ、ァッ……」  目の前がスパークするを感じながら、俺は目を閉じた。

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